第三十四話 スーパームーンの実態
文字数 1,297文字
－PM 1時40分－
《七幡宮－境内》
···············
と、言うことです···
人と百鬼の契約···？
はい··、人と百鬼の契約とは、人の願いを叶える代わりに、百鬼はその代償を人から得る··と言うものです
その契約には必ずルールが存在しますが、先ずは等価交換が第一条件となります
例えばですが、富を得たい者が百鬼に願い入った場合、その願いを叶える代わりに
当事者である人も、それ相応の対価を払わねばなりません
対価····
契約を持ち掛けられた百鬼は、必ず受けなければなりませんが、
相手はあくまで百鬼です、人にとって良い条件など出すはずもない
それを覚悟の上で、契約を持ち掛ける百鬼を選ばなければならないし、
人も、百鬼から出された条件をのまねばなりません
でも、百鬼って誰にでも見える訳じゃないんじゃ···
ええ···、ですので百鬼と契約を交わす事自体、普通のことではないので
我々の様な、特殊な者達の場合には限られますが···
まあ、でも昔からある話しだよ？
人と百鬼の契約交渉ってのは
陵さん···
昔は今よりも、人と百鬼の距離が近かったからね～
···ですので、全ての原因は
···私の力が足りない事によるものです
ご、めんなさ·····
だから···っ！
謝らなくていいから···
っ！！
···結局、それでレンが身を差し出そうとしたのか··
黒鉄と契約をして、黒鉄に俺を守らせるために
で、ですが！
目など見えなくても、片腕が無くても
···アスマさんが、私の前から居なくなるくらいなら、そんなもの構いません
っ！！！！
黒鉄さんなら私とは違い、百鬼の中でも相当な強さを誇っている超級百鬼ですので··
····でもね、レン
それは断る
で、でもっ！
他に方法がありません！
アスマさんは分かっていないんです！！これから····スーパームーンだって来るのですから··！
スーパームーン？
·········
スーパームーンでは、先日の様な事が１日起こりうる可能性があります
っ！？！
···満月の光はとても美しいですが、それは百鬼にもそうで、彼らに力を与えてしまいます
例え、昼間であっても変わりません··
そうなってしまえば、アスマさんも私も無事ではいられない··
···········
でも···、それでも俺は···
·····ﾊｧ、だからアスマに言った所で話しなどまとまらぬのだ
気持ちは分からなくもないけどね～
···もういい、そこまでにしろ
面倒くさい
今後、貴様らは····毎日黒猫マートで買い物をするのだ
·····えっ？！
へっ？！
それから、その次いでに野良達にもおやつを食わせろ
それが、わしからの条件だ！
フフッ
っっっ！！！！！
黒鉄さん···っ！！
く、黒鉄····
これにて契約交渉は終了！
じゃあ、黒鉄
お昼に俺の創作料理作ってあげるね！
っ！！！！
直ぐに帰るぞ佐助！
熊手も買った事だし、お昼ご飯だー！
二人もおいで、一緒に食べよ～！
は、はいっ
黒鉄さん、陵さん····！
有り難うございます！！
俺たちの道のりは前途多難だけど····周りの人達に恵まれていて今は本当に感謝の気持ちでしかない
もし····
もしも、この体質が治ったら黒鉄にも陵さんにも恩返しをしよう···
