第三十五話 惚れられ迷惑

文字数 1,803文字








               2月1日(金)

           -PM 12時20分-

《デザイン専門学校―学食》


レン、スーパームーンについてなんだけどね
はい····、モグモグ
次は4月にあるらしいの··
4月····、ですか···

チュルチュル··

一応段取りは踏み始めた様だけど、早めにキョウの所へ行きなさいよ?
ええ····、そうですね··

ゴクゴク

········



コトン····



ふー、お腹一杯~
ラーメンセット····、よっぽど美味しかったのね?
今日は、寝坊して朝御飯抜いてきたのでお腹が減って死にそうでした
レンが寝坊するなんて珍しいわね~
··年明けに、黒鉄さんとの契約が成立してからは、何事もなく過ごしていたのですが
最近では、私の方がヤバいと言うか···
どう言うこと?
今から何日か前の事なんですが····








   1月25日(金)

  -AM 12時40分-


《アスマ自宅周辺》


それでは、お疲れ様でした!

明日は土曜日ですし、ユックリ休んで下さいね!

うん、レンは気を付けて帰るんだよ?
はい···、近いので大丈夫です
じゃあ、おやすみ
おやすみなさい··



そうして私は、いつものように自分のアパートへ向かっていました··




···アスマさんは今日も素敵でした!
カッコいいし、背も高いし、優しいし、紳士的で、落ち着いてて····
悪い所が見つからないっ!!



ジーーーーーーーーー······



っ?!



そのとき突然だれかの視線を感じたのですが··


周りを見渡しても人が居る気配はなくて···

目を凝らしてよーーーーーっく見てみると···




(かなり遠くの電信柱の影に、黒い人の影がある···)



暗い夜道····

普通は見える筈のない遠くの電信柱の影―――――


でも、私には見えるのです

相手が人ではないから····




(こう言う事は良くあるので、無視しておこう)
(それにしても、アスマさんではなく私とは···)



そうして、そんな日々が何日か続き····



(結構しつこいな····)
(それも、だいぶ近くまで寄ってきている···)



最初はただの黒い人影だったモノが、どんどん近付いて来て今では性別まで分かるくらいになっていました····


相変わらず彼?は電信柱の影から私を見ていたのです




(困ったな····、何もしてこないのに祓うのは気が引けるし)
(何か伝えたい事があるのかもしれません···)



しかし、そのまた数日後····



(···居なくなってる)
(良かった···、諦めたみたいです)
(今日は、安心して眠れますね)



ガチャー···  パタン··



····取り敢えずお風呂に入ろう



シャーーーー····



パシャ-···




ふー、いいお湯です~···


と、私が湯船に浸かってリラックスし始めた丁度その時――――――






コンコン-···



へっ?!
な、何····今の?



湯船の脇の壁側には窓があり、その窓をノックしているような音がしたのです―――――



(ここは2階····、お風呂場の窓側には階段も何も無く、ただの壁になってるはず···)



コンコン-····



ひゃ····っ!



その時、私はたまらず振り向いてしまった··


ノックをしてくる窓の方を···




うわっ!



一応お風呂場の窓は磨りガラスになっており、中は見えない様に施されていましたが···その磨りガラスに顔を押し当て、必死で中を覗こうとしているクソ野郎が·····いえ、さっきの男性の霊がおりました···




···········
ってか、ノックされたって開ける訳ないでしょ···っ!
このっ、どスケベっ!ど変態っ!ストーカー野郎!



∑  っ!!!



そんなに顔を押し付けたって見えないし、入れませんよ!



コンコン-····   




コンコン-····




コンコン-····




イラァッ



と、言うことでムカついてガン無視しているのですが毎日のようにお風呂場と寝室の窓をノックしてくるので····




寝不足なんです····
はあ~····、あんた人がいいわね~
私なら、一口でご馳走さま~っよ?
私は人間なので、一口でご馳走さまと言うわけにはいかないです
いや、そもそもそんな解決方法は許されませんし
寝不足で死んじゃう前に、さっさと祓いなさいよ
····それしか、ないのでしょうか···
アスマ君には相談したの?
そんな事は出来ません····
その霊は、いくらアスマ君でも興味持たないと思うよ?
えっ?何故です?
レンにしか興味ないからよ~
ゲンナリ····
(仕方ない····、あの方の協力を得ましょう··)
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登場人物紹介

名前 伊吹 遊馬(いぶきあすま)

年齢 19歳

身長 179㌢

体重 63㌔

趣味 弓道、スノボ、漫画、小説


本編の主人公。

極度な霊感体質な事から、有りとあらゆる百鬼から命を狙われている。

それ故に、物事を諦める思考のある性格。

レンに興味を持ち始める。

名前 櫻井 蓮(さくらいれん)

年齢 19歳

身長 150㌢

体重 内緒

趣味 お寺巡り、お経早口言葉、御詠歌


本編のヒロイン 

実家はお祓い家業を営んでいる。

アスマを助ける為に自らを犠牲にするが、犠牲とは全く思っていない根っからのお人好し。

名前 伊吹 悠人(いぶきはると)

年齢 35歳

身長 183㌢

体重 68㌔

趣味 カクテルの調合、アンティーク収集、ドリ車の改造


アスマの叔父【para ti 】のオーナー

自分の息子のようにアスマを可愛がっている。

女性関係には少々だらしなく、それ故に婚期を逃して未だに独身。

名前 宮琵 曄子(きゅうびようこ)

年齢 ???

身長 165㌢

体重 秘密

趣味 七変化、レンの子守


レンの親友

レンとは相当親しい間柄で、学校ではいつも一緒に過ごしている。

その正体は謎に包まれており誰も知らない。

名前 碓井(うすい)

年齢 33歳

身長 185㌢

体重 75㌔

趣味 車、バイク、バギー、


【Para ti 】のバーテンダー

見た目はヤバいく、口調も荒いが

実は紳士。

特にも女性には優しく、執事より人気が高い。アスマの事も可愛がっている。

名前 湊(みなと)

年齢 30歳

身長 177㌢

体重 62㌔

趣味 コース料理やスイーツの試作、海外で食べ歩き、彼女募集中


【Para ti 】のシェフ&パティシエ

基本的に落ち着いていて物静か。

生まれてこの方、怒った事が無い。

常に食材の事を考えている為、彼女にフラれる事が多い。

名前 ???

年齢 ???

身長 ·············

体重 ·············

趣味 ???


飼い猫のようだが·····?

名前 黒崎 陵(くろさきりょう)  

年齢 35歳

身長 175㌢

体重 65㌔

趣味 野良猫の保護と世話、読書、創作料理


黒猫マートの店長

スーパーの様な品揃えでありながら、実は24時間営業のコンビニ店長。

猫が大好きでとにかく優しい。何事も猫優先のため彼女が出来ない。

名前 櫻井 梗(さくらいきょう)

年齢 26歳

身長 178㌢

体重 59㌔

趣味 酒を飲む、自然の中で小説を読む、使い魔を従える


レンの兄

お祓い家業を営みつつ、神社の神主を勤めている。霊力が強く百鬼は近づこうともしない。··最近彼女にフラれた。

名前 黒鉄(くろがね)

年齢 630歳

身長 190㌢

体重 78㌔

趣味 佐助の守護、佐助と散歩、佐助と昼寝


佐助の飼い猫(人型バージョン)

630年の時を経て、佐助(黒崎陵)との再開を果たし、今を幸せに暮らしている猫又。超級百鬼であり、百鬼の中でも敵はいない程の強さを持っている。


名前 櫻井 蘭蕉(さくらいかんな)

年齢 30歳

身長 160㌢

体重 秘密

趣味 筋トレ、太極拳、少林寺拳法


レンの姉(長女)

基本おっとりしているが、趣味は大体護身術や体を鍛える事。

仕事はグラフィックデザイナーで、中間管理職。

男性との縁がいつもいまいち。

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