札場(さつき)病院

文字数 1,617文字









         -PM 6時45分-


        《札場病院受付》



すみませんっ
はい、どうなさいました?
(··駅前の病院なのに、古くて小さいな)
(本当にこんなとこにハルトさんがいるのでしょうか··)
えっと··、伊吹悠人の病室は何処でしょうか?
···伊吹様ですね
3階の···、204号室になります
あ、有り難うございます!
ご家族様ですか?
は、はい··
承知致しました

では、どうぞ··

レン、行こう
はっ、はい









     《エレベーター前》



··············
··············
エレベーター···、全然降りてこないね··
ええ··
···階段で行こうか
はい




壊れているのか··


エレベーターが全く来ないので


··仕方なく俺達は階段で


3階まで行くことにした··


















   


       カンカンカン―···




はあはぁ··
僅か3階でこれとは··、運動不足だな··ハァハァ··
私もです···
あ···っ、ここだ··
3Fって書いてありますね··
よし、行ってみよ
はい··





     ガチャ·· キィ―――  パタン





····ここってさ
はい···
本当に病棟なのかな···
真っ暗···ですね··
···階段は電気が点いていたのに、

ちょっとヤバい空気です··

···どうしよう
··一旦戻りましょうか
うん···、何かの間違いかもしれないし

      







俺達は仕方なく階段を戻ることにして


ドアノブを回した··









その時···












         ガチッ



····え
···鍵が

かかっています··

な、なんで?!
オートロックじゃないよな?!
取り敢えず、出口を探すしか無いかもです··
···最悪だ
···仕方ありませんね







もはや俺達は


奴らの思うつぼなのかもしれない··






階段以外の出口なんてあるのか···?





ここは3階だし··


窓があったとしても降りることは···






·····あれ、窓···?






月は··、出ていないのか?


今日はスーパームーンなんだろ?


少しくらい月明かりがあっても··










···いや、もしかしたら


窓すら無いのかもしれないな···







静かですね··
うん···、人の気配なんて全くないな··
(···このまま何事も無い、なんて事はあり得ませんよね··)
とにかく、離れないように手を繋ぎましょう··
えっ!!
え?
あっ、いや···

よ、喜んで···

··········
そ、そういえば私ペンライト持ってました!
あっ、俺もスマホのライトあったんだった···
(一刻も早く出口を探さなくては··)






















       《204号室》



···あ、204号室··

本当にあったぞ··

って事は、やっぱりここは病棟なんだ···
···なら何でこんな真っ暗にしてんだよ
叔父さんは··、本当にこんなとこにいるのかな···
··········
····レン?



      シ――――――ン···



レっ、レンっ?!







···何で?!


今まで手を繋いでいたのに?!


離れたことにも気づかないとか··


あり得ないだろうがっ!!

















と、その時····

















        ブツッッッ



っ!!!!!!!!








      バラバラバラッッ









          カツンッ··  






        カンカン·· カンカン··




      





          コロコロコロ··




そ···っ、そんな····っ!!!!






何故なのか···


理由なんて考えている程


余裕はなかった





レンの魂と繋がっていた


唯一の結界である数珠が


急に切れたのだ····





っ数珠の色が····っ!!!



数珠の珠は、切れた途端に


無色透明に変わり果て、まるで


何も感じられないただの石になっていた





それでも俺は、転がっていく珠を


必死でかき集めた··






俺にとってこの数珠はレンとの


繋がりでもあったから··


手放す事なんて出来る筈もない··





く···っそ··、何でこんな··






      ズサッ····ズルズル―··






ギクッ
(··ヤバいぞ、こんな時に··)
(数珠が切れたら、丸裸も同然だろ俺···)






           ··ア··スマ··






っ!!!?
(ど、どうするっ?!)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

名前 伊吹 遊馬(いぶきあすま)

年齢 19歳

身長 179㌢

体重 63㌔

趣味 弓道、スノボ、漫画、小説


本編の主人公。

極度な霊感体質な事から、有りとあらゆる百鬼から命を狙われている。

それ故に、物事を諦める思考のある性格。

レンに興味を持ち始める。

名前 櫻井 蓮(さくらいれん)

年齢 19歳

身長 150㌢

体重 内緒

趣味 お寺巡り、お経早口言葉、御詠歌


本編のヒロイン 

実家はお祓い家業を営んでいる。

アスマを助ける為に自らを犠牲にするが、犠牲とは全く思っていない根っからのお人好し。

名前 伊吹 悠人(いぶきはると)

年齢 35歳

身長 183㌢

体重 68㌔

趣味 カクテルの調合、アンティーク収集、ドリ車の改造


アスマの叔父【para ti 】のオーナー

自分の息子のようにアスマを可愛がっている。

女性関係には少々だらしなく、それ故に婚期を逃して未だに独身。

名前 宮琵 曄子(きゅうびようこ)

年齢 ???

身長 165㌢

体重 秘密

趣味 七変化、レンの子守


レンの親友

レンとは相当親しい間柄で、学校ではいつも一緒に過ごしている。

その正体は謎に包まれており誰も知らない。

名前 碓井(うすい)

年齢 33歳

身長 185㌢

体重 75㌔

趣味 車、バイク、バギー、


【Para ti 】のバーテンダー

見た目はヤバいく、口調も荒いが

実は紳士。

特にも女性には優しく、執事より人気が高い。アスマの事も可愛がっている。

名前 湊(みなと)

年齢 30歳

身長 177㌢

体重 62㌔

趣味 コース料理やスイーツの試作、海外で食べ歩き、彼女募集中


【Para ti 】のシェフ&パティシエ

基本的に落ち着いていて物静か。

生まれてこの方、怒った事が無い。

常に食材の事を考えている為、彼女にフラれる事が多い。

名前 ???

年齢 ???

身長 ·············

体重 ·············

趣味 ???


飼い猫のようだが·····?

名前 黒崎 陵(くろさきりょう)  

年齢 35歳

身長 175㌢

体重 65㌔

趣味 野良猫の保護と世話、読書、創作料理


黒猫マートの店長

スーパーの様な品揃えでありながら、実は24時間営業のコンビニ店長。

猫が大好きでとにかく優しい。何事も猫優先のため彼女が出来ない。

名前 櫻井 梗(さくらいきょう)

年齢 26歳

身長 178㌢

体重 59㌔

趣味 酒を飲む、自然の中で小説を読む、使い魔を従える


レンの兄

お祓い家業を営みつつ、神社の神主を勤めている。霊力が強く百鬼は近づこうともしない。··最近彼女にフラれた。

名前 黒鉄(くろがね)

年齢 630歳

身長 190㌢

体重 78㌔

趣味 佐助の守護、佐助と散歩、佐助と昼寝


佐助の飼い猫(人型バージョン)

630年の時を経て、佐助(黒崎陵)との再開を果たし、今を幸せに暮らしている猫又。超級百鬼であり、百鬼の中でも敵はいない程の強さを持っている。


名前 櫻井 蘭蕉(さくらいかんな)

年齢 30歳

身長 160㌢

体重 秘密

趣味 筋トレ、太極拳、少林寺拳法


レンの姉(長女)

基本おっとりしているが、趣味は大体護身術や体を鍛える事。

仕事はグラフィックデザイナーで、中間管理職。

男性との縁がいつもいまいち。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色