第三十話 年明け
文字数 2,523文字
《七幡宮神社-境内》
砂利の上に座り込んでいた俺の元にレンが気付いて走ってきた···
そう言ってレンは俺の体をまさぐり出した····っ!
ちょっ
待······っ!
大人っぽくて優しい宮琵さん···
彼女の正体があんなに恐ろしいモノだったとは···
身の毛もよだつ程の脅威――――
まさにそれが俺の印象だった
俺達は足早に境内から抜け出した
後ろを振り向くと、さっきまでの騒ぎがまるで無かったかの様に真っ暗で寂しげな本殿が俺達を見つめていた
タッタッタッタ-···
12月31日(月)
-PM 11時45分-
《七幡宮-鳥居前》
ザワザワ ガヤガヤ――――
-PM 11時55分-
《七幡宮-境内》
今回は一応、陵さんも黒鉄もいるから残念だけど手を繋ぐのを遠慮した·····
俺達は恐る恐る足を踏み入れた···
だが、そこにはお炊き上げの炎が燃え上がり、お守りやおみくじ、破魔矢等の販売で活気付いた如何にも年越し初詣のワクワク感で溢れた境内の景色が広がっていた―――――
ヒュルルルルル----·······
ドーーーーーン
あけおめーっ!
ハッピーニューイヤーー!
キャーキャー
ザワザワ
今年も宜しくーっ!!
ワイワイ ガヤガヤ
ゴーン ゴーン ゴーン-···
何とか俺の念願だったレンとの年越し初詣を達成し、参拝も一緒に出来た
普段は神頼みなんてしないけど、さすがに今日は祈りまくったよ
俺のせいでレンが殺されかけたからな
正直俺が喰われるだけならまだマシだって本気で思った···
···俺は、レンを巻き込んだことの重大さに改めて気づかされたんだ――――