第四十三話 瑞禪寺

文字数 2,073文字






    3月16日(土)

-PM 1時30分-


 《バス-車内》


骨····、ってどう言う事だよ··
俺にはどう見ても普通の女性にしか···
それこそが骨女の狙いなのですよ
骨女····?!
まぁ確かに普通の人間に骨女の姿は、人型にしか写らんのかもしれんが
アスマ···、お前はそれだけ無駄に霊感体質でありながら、骨女が人型に見えるとは残念すぎる体質だな···
·····すみません
···骨女は
生前の容姿があまり美しくなかった事から、それ故に自害をされたそうです
そして死後に絶世の美女として姿を変え、夜な夜な自分の好みの男性の元へ足蹴く通い、その男性と···
その先は18禁だ、レン
×××で×××な×××と、言うことをなさっておりました
············


そんな日々が暫く続いていたのですが、その男性の隣に住む爺が毎夜聞こえてくる女の声に怪しみ始め、
(じじいって言ったな今··)
家の隙間から覗いたところ····

男性が×××していた女は、一式揃った白骨であり

(一式揃った····?)
男性のセイキ(精気)を吸っていたそうです
言い方···
てか、もはや内容が入ってこない
要するに、騙されて×××すると、いずれ己も骨と皮になると言うことだ
まあ···、言いたいことは分かったよ
でも、何でこんな昼間にバスになんて乗ってきたんだ···
そんなもん決まっている
お目当ての男性がこのバスに乗っている、と言うことですね
えっ?俺達以外に誰か乗って来たっけ?
相変わらず鈍感なのです
えっ?!

ま、まさか······っ



その時····



あの····
·············
····えっ?!

(やっぱり)俺?!

·········
モグモグモグ···
ええ、貴方は何処にお住まいなんですか?
え、えっと···俺はこの辺に住んでいる訳ではなくて
あら··、では今日はどちらへお泊まりになられるのですか?
瑞禪寺ですよ
っ!!!!
瑞禪寺·····

それなら、仕方ありませんね··

瑞禪寺は、どなたであっても歓迎致しますが··
あそこは嫌いなんです

神主様が少し異形ですから

お気持ちは察します
(神主って、レンのお兄さんだよな?!異形って何?!)
ふは··っ、異形か

上手いことを言う

では、また何時か機会がありましたらその時にお伺いしますね
(勘弁してくれ···)
········
ふん、諦めのよいやつよ



結局、骨女?は何もせずにバスを降りていった


俺には今でも普通の人間にしか見えない

キレイな人には特にも気を付けろと言うことか···



さあ、次で降りますよ
あ、うん






     -PM 1時45分-

《バス停-瑞禪寺前》


おお····
何だか想像してたのと違って····
結構、賑わっているでしょう?
うん、お寺までの坂道と階段はかなり上まで続いてそうだけど
梺(ふもと)は、お土産屋とか飯屋とか観光地っぽくなってるんだね、駐車場もかなり広い····
この辺は車社会ですからね、バスを利用する方が少なくバスはいつもガラガラです
あ、でも観光バスの行き来はありますよ!
凄いね、かなり有名なお寺なの?
地域を盛り上げるために、観光地とパワースポットとして開拓されて、雑誌にも載せられてしまい···
へぇ~っ!
あ~··後、兄がテレビに出てしまった事も大問題でした···
な、何が問題なの?!
ファンが付き、取材が殺到し、調子こいて更にテレビに出てしまった事で、観光客が押し寄せてしまったのです
余程のイケメンとみた···
いえ、普通です
まあ、後はお祓いと言う名の召喚イベントや巫女神楽等もやりますので、それはかなり人気があります
召喚イベント?!

それってもしかして···

ええ···、大変申し訳無いのですが、十二天将の皆さんに協力を頂いております···
ひえ~····、でもそれちょっと見てみたいかも··
くふぁ~~~····わふ···
さあ、お腹も減りましたし上へ参りましょう
うん··!








      -PM 2時15分-


《瑞禪寺境内-櫻井家》


はぁはぁ···
ゼエゼエ···
相当登って来たよね···、勾配が結構キツイ
ええ、もうそろそろですよ
ハァハァ···、でも梺は雪が積もってたのにデカイ杉木のお陰で坂道には殆ど雪が無いのは凄いなって思ったよ
ここの坂道には両脇に樹齢300年の杉木立が連なっていますので···
それもまた参道の良さでもありますね
参道の途中に、色んな御堂が現れるのもまた神聖な雰囲気だね
私が産まれるずっと昔からそうだったのでしょうね
その、杉木を植える前からこの寺は建っていたからな···
そ、そうですよね!

黒鉄さんはずっと見て来ているのですよね!

···ん?
なんだ···、何処ぞの小娘が騒いでるかと思ったら我が妹じゃねえか
おっ、おっ、お兄ちゃんっ?!
っ!!!!!

(こ、この人がレンのお兄さん!?)

何をそんなに驚いてんだよ?

ここは俺の行動範囲内だぞ

············
(本当にイケメンすぎる····)
·····へえ~

レン、やるじゃねえか

は?



突然目の前に現れたレンのお兄さんに緊張を隠せない俺と、兎に角失礼の無いようにしないと!


今回俺の体質を調べてくれるのもお兄さんなんだからな!



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登場人物紹介

名前 伊吹 遊馬(いぶきあすま)

年齢 19歳

身長 179㌢

体重 63㌔

趣味 弓道、スノボ、漫画、小説


本編の主人公。

極度な霊感体質な事から、有りとあらゆる百鬼から命を狙われている。

それ故に、物事を諦める思考のある性格。

レンに興味を持ち始める。

名前 櫻井 蓮(さくらいれん)

年齢 19歳

身長 150㌢

体重 内緒

趣味 お寺巡り、お経早口言葉、御詠歌


本編のヒロイン 

実家はお祓い家業を営んでいる。

アスマを助ける為に自らを犠牲にするが、犠牲とは全く思っていない根っからのお人好し。

名前 伊吹 悠人(いぶきはると)

年齢 35歳

身長 183㌢

体重 68㌔

趣味 カクテルの調合、アンティーク収集、ドリ車の改造


アスマの叔父【para ti 】のオーナー

自分の息子のようにアスマを可愛がっている。

女性関係には少々だらしなく、それ故に婚期を逃して未だに独身。

名前 宮琵 曄子(きゅうびようこ)

年齢 ???

身長 165㌢

体重 秘密

趣味 七変化、レンの子守


レンの親友

レンとは相当親しい間柄で、学校ではいつも一緒に過ごしている。

その正体は謎に包まれており誰も知らない。

名前 碓井(うすい)

年齢 33歳

身長 185㌢

体重 75㌔

趣味 車、バイク、バギー、


【Para ti 】のバーテンダー

見た目はヤバいく、口調も荒いが

実は紳士。

特にも女性には優しく、執事より人気が高い。アスマの事も可愛がっている。

名前 湊(みなと)

年齢 30歳

身長 177㌢

体重 62㌔

趣味 コース料理やスイーツの試作、海外で食べ歩き、彼女募集中


【Para ti 】のシェフ&パティシエ

基本的に落ち着いていて物静か。

生まれてこの方、怒った事が無い。

常に食材の事を考えている為、彼女にフラれる事が多い。

名前 ???

年齢 ???

身長 ·············

体重 ·············

趣味 ???


飼い猫のようだが·····?

名前 黒崎 陵(くろさきりょう)  

年齢 35歳

身長 175㌢

体重 65㌔

趣味 野良猫の保護と世話、読書、創作料理


黒猫マートの店長

スーパーの様な品揃えでありながら、実は24時間営業のコンビニ店長。

猫が大好きでとにかく優しい。何事も猫優先のため彼女が出来ない。

名前 櫻井 梗(さくらいきょう)

年齢 26歳

身長 178㌢

体重 59㌔

趣味 酒を飲む、自然の中で小説を読む、使い魔を従える


レンの兄

お祓い家業を営みつつ、神社の神主を勤めている。霊力が強く百鬼は近づこうともしない。··最近彼女にフラれた。

名前 黒鉄(くろがね)

年齢 630歳

身長 190㌢

体重 78㌔

趣味 佐助の守護、佐助と散歩、佐助と昼寝


佐助の飼い猫(人型バージョン)

630年の時を経て、佐助(黒崎陵)との再開を果たし、今を幸せに暮らしている猫又。超級百鬼であり、百鬼の中でも敵はいない程の強さを持っている。


名前 櫻井 蘭蕉(さくらいかんな)

年齢 30歳

身長 160㌢

体重 秘密

趣味 筋トレ、太極拳、少林寺拳法


レンの姉(長女)

基本おっとりしているが、趣味は大体護身術や体を鍛える事。

仕事はグラフィックデザイナーで、中間管理職。

男性との縁がいつもいまいち。

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