第六話 一抹の不安
文字数 2,957文字
-PM 11時30分-
《法願寺-露天風呂》
ギリギリギリギリッッ
急急如律令は、陰陽師がよく使う詠唱の一つである。
「我が命令に答えよ!出来るだけ早く!!」と、言う意味だ。
その詠唱を唱えると、自らの周りに五芒星形の円陣が現れ光りだした。
コ、コムスメガァァァァァァッッッッ!
イッッ イヤダ····ッ!!!
我ハマダ·····マダ逝キタクハ··ナ···
-PM 11時50分-
《法願寺-客間》
ドッッッッ
カーーーーーーーーーーーーーーーン
!!!!!!!!!!!!!!!
凄い爆発音に驚いた俺たちは元凶と思われる露天風呂へと急いだ
露天風呂にはレンがいる・・・
さっきの日本人形の事もあり、不安が募っていた
《法願寺-露天風呂》
ガチャッ
俺は、はやる気持ちが先に立ってしまいノックもせずに露天風呂への扉をあけた。
-AM 12時30分-
《法願寺-客間》
あの後、 見るも無惨な露天風呂は直ぐさま修理の手続きを行うと住職が走り回っていた···
(夜中なのに···)
そして、レンはと言うと完全に冷えきってしまったようで···
火鉢の前でガタガタ震えていた···
取り敢えず、俺の上着といつの間にか敷いてあった布団の毛布をぐるぐる巻いてみた···
今日はいつも以上に色んなことがあった··
これから先ずっとレンと一緒に居るって言うのはちょっと現実的では無いような気もするが··
別に嫌な訳では無い、だが俺はレンの事を殆ど知らない。
何処に住んでいるのか··
どんな生活をしているのか
··そもそもレンには恋人はいないのだろうか?
············
まぁ、居たらこんな事にはならんか··
漠然とした未来しか見えない事が俺を不安にさせる··
レンはいつまで俺の側に居て、俺を守ると言うのか
一生そう言う訳にも行かんだろ、きっといつかは 離れて行くんだろぅ··
今までと同じように
・・・例え、そうなったとしてもきっと大丈夫だ
そう··、何の問題も無い
はず··