アスマの不安

文字数 1,886文字










        -PM 8時45分-


      《桜木町-青葉通り》



おっ、叔父さんっ?!!
えぇっ?!
···電話に出られなくて悪かったなあ
今何処にいるんですか?!

···叔父さんが事故って意識不明の重体だって電話があったんですよ!

·········
···なんだそりゃ

··何かの間違いじゃねえのかぁ?

ほ、本当ですか?!
おー、この通りピンピンしてるぜ~?
よ··、良かった···
っ!!!
だったら何で黙って仕事を休んだりしたんですか?!
碓井さんだって、凄く心配していたんですよ?!
···そんなに耳元で怒鳴るなよ~··
··悪かったって
······
そんな事よりさぁアスマ~
····え?
お前は今何処にいんの?
お、俺達は··

桜木町の青葉通りですけど··

おーっ!マジか!

俺も今近くにいるぜぇ?

···はっ?!
どの辺にいるんだよ?
ワルプルギスって言うカフェの側ですが··
あー、あそこなら知ってるぜ?

今から行くからちょっと待ってろよ

··え?!



         ピッ



·······
ハ、ハルトさんだったのですか?!
あ···っ、うん··
···と言うことは、無事だったのですね?!
そうみたいだね···
ア、アスマさん···?
(何だか様子が··)
·····
















       -PM 9時10分-


     《桜木町-青葉通り》



···やっぱまだ4月だと夜は寒いな
ええ···

ハルトさんはまだで··

·······ん?
どうした···?
遠くで誰かが···手を振っています
え···?
ハルトさんでしょうか···?
暗くて良く見えませんね··
どっ、何処に?!

(何も見えないぞ···?!)

ハルトさんかもしれませんので、ちょっと見てきます
アスマさんはここにいてくださいっ
えっ?!




       タッタッタ···ッ




大丈夫かな···
·········
·········
よう、アスマ
うわぁっっ!!!
おっ、叔父さん?!
待たせたなぁ
(じゃあ··手を振っていたってのは何だ?!)
···叔父さん
本当に大丈夫なんですか··?
···この通りだぜ~?
全然大丈夫だろ?
心配しましたよ··、本当に···!
····そうかぁ?
そんな事よりさぁ~···アスマ~
は、はい···?




         ガシッ 




ビクッ




··その時、何故か叔父さんは


おもむろに俺の両肩を力強く掴んだ··






そもそも普段とは何かが違う叔父さんに


俺は一抹の不安を拭い切れないでいた






·······あ
お前さぁ···
は、はい···
デカくなったよなぁ~··
···え?
何言って···
当時はあ~んなにチビだったのになぁ~?
(子供の頃の事を言っているのか··?)
何でそんな事を今さら···
···お前の親父は最低な奴だったよなあアスマぁ~
っっ!!!?
お前とお前の妹を犠牲にして··
お前の母親を助けようなんてよ~?
···は?!

な、何を··

あの男はお前らに愛情なんてこれっぽっちも無かったんだぜ~?
自分のガキより女を取ったんだからよ
····
···全く人とは呼びにくいだろ?

ククク

···まぁ、俺はそこが気に入ったんだけどなぁ?
おっ、叔父さん···っ!

何言ってんだよ···っ




       カタカタカタカタカタカタッッ




(···えっ?!)





その時


俺のベルトに付けていた


「破魔の剣」が急に震えだした





(な、何なんだよ···?!)
···アスマ~··
·····?!
お前さあ、いつになったら喰われるんだ?
············?
···お前がさっさと喰われねぇと、俺は面白くねえんだよな~
···お、叔父さ···?



    カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタッッ



?!!!

(ちょ···っ)

近頃はあの小娘が邪魔しやがるよなぁ~··?

イライラするから殺しちまおうかぁ?

?!
レっ、レンは関係ないだろ?!!!
······お前
誰なんだよっ?!
俺?··俺はお前の大好きなハルト叔父さんだぜ?
ち、違う···っ!!!
叔父さんをどうしたんだよ?!!!
·······
···お前さあ
さっさと喰われちまえよ
·····っ!
···まぁ、お前の親父と交わした契約はもう既に無効になっているんだがなぁ?
···は?
··あの男は何処まで行っても最悪な野郎だ
···契約違反を犯しやがったしな
お··おまえ···まさか··





カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタッッ





(頼むから大人しくしててくれよ···っ!!)




俺は震えまくる「破魔の剣」を


おもいっきり握った















         ギュッッ




『···ようやく』
『私を握ったなアスマ···っ!』
えっ?!!






最初は誰が喋ったのか


全く理解出来なかったが···


その声は直接俺の頭の中に


響いていた··





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登場人物紹介

名前 伊吹 遊馬(いぶきあすま)

年齢 19歳

身長 179㌢

体重 63㌔

趣味 弓道、スノボ、漫画、小説


本編の主人公。

極度な霊感体質な事から、有りとあらゆる百鬼から命を狙われている。

それ故に、物事を諦める思考のある性格。

レンに興味を持ち始める。

名前 櫻井 蓮(さくらいれん)

年齢 19歳

身長 150㌢

体重 内緒

趣味 お寺巡り、お経早口言葉、御詠歌


本編のヒロイン 

実家はお祓い家業を営んでいる。

アスマを助ける為に自らを犠牲にするが、犠牲とは全く思っていない根っからのお人好し。

名前 伊吹 悠人(いぶきはると)

年齢 35歳

身長 183㌢

体重 68㌔

趣味 カクテルの調合、アンティーク収集、ドリ車の改造


アスマの叔父【para ti 】のオーナー

自分の息子のようにアスマを可愛がっている。

女性関係には少々だらしなく、それ故に婚期を逃して未だに独身。

名前 宮琵 曄子(きゅうびようこ)

年齢 ???

身長 165㌢

体重 秘密

趣味 七変化、レンの子守


レンの親友

レンとは相当親しい間柄で、学校ではいつも一緒に過ごしている。

その正体は謎に包まれており誰も知らない。

名前 碓井(うすい)

年齢 33歳

身長 185㌢

体重 75㌔

趣味 車、バイク、バギー、


【Para ti 】のバーテンダー

見た目はヤバいく、口調も荒いが

実は紳士。

特にも女性には優しく、執事より人気が高い。アスマの事も可愛がっている。

名前 湊(みなと)

年齢 30歳

身長 177㌢

体重 62㌔

趣味 コース料理やスイーツの試作、海外で食べ歩き、彼女募集中


【Para ti 】のシェフ&パティシエ

基本的に落ち着いていて物静か。

生まれてこの方、怒った事が無い。

常に食材の事を考えている為、彼女にフラれる事が多い。

名前 ???

年齢 ???

身長 ·············

体重 ·············

趣味 ???


飼い猫のようだが·····?

名前 黒崎 陵(くろさきりょう)  

年齢 35歳

身長 175㌢

体重 65㌔

趣味 野良猫の保護と世話、読書、創作料理


黒猫マートの店長

スーパーの様な品揃えでありながら、実は24時間営業のコンビニ店長。

猫が大好きでとにかく優しい。何事も猫優先のため彼女が出来ない。

名前 櫻井 梗(さくらいきょう)

年齢 26歳

身長 178㌢

体重 59㌔

趣味 酒を飲む、自然の中で小説を読む、使い魔を従える


レンの兄

お祓い家業を営みつつ、神社の神主を勤めている。霊力が強く百鬼は近づこうともしない。··最近彼女にフラれた。

名前 黒鉄(くろがね)

年齢 630歳

身長 190㌢

体重 78㌔

趣味 佐助の守護、佐助と散歩、佐助と昼寝


佐助の飼い猫(人型バージョン)

630年の時を経て、佐助(黒崎陵)との再開を果たし、今を幸せに暮らしている猫又。超級百鬼であり、百鬼の中でも敵はいない程の強さを持っている。


名前 櫻井 蘭蕉(さくらいかんな)

年齢 30歳

身長 160㌢

体重 秘密

趣味 筋トレ、太極拳、少林寺拳法


レンの姉(長女)

基本おっとりしているが、趣味は大体護身術や体を鍛える事。

仕事はグラフィックデザイナーで、中間管理職。

男性との縁がいつもいまいち。

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