アスマの戦い

文字数 1,934文字










      -PM 10時05分-


     《桜木町-青葉通り》



··やはり貴様か
羅刹(らせつ)よ···
羅刹······?
(羅刹って確か··、七幡宮の時に鬼が呼んでいた名前だよな··)
ぐぅぅ···っ
き、貴様は···
猫又·····っ!!!
··ふん、酷い有り様だのう··
ら、羅刹って··地獄にいるはずでは!?
地獄····?!
······
··羅刹は、地獄に住む餓鬼なんです
餓鬼って···っ

せ、生前に生きている者達を大量虐殺した者が··

地獄に落ちた成れの果てです···
···っ!!
が、餓鬼になっても尚··人を狂気に陥れ殺害しては喰らっている
········
(··何で父さんはそんな奴に契約なんて··)
くっ、くくく··っ
俺はなぁ··、ようやく地獄から這い上がったんだよおぉぉ!!
そう簡単にやられてたまるか···っ!!
·······
まだまだ喰い足りねぇ···っっ!!!
ふん、貴様の飢えなんぞ··

満たされる事などあるまい

潔く諦めろ
っっ?!!!
猫又··きっ、貴様···
まさか百鬼のくせに人に憑いてんじゃあねぇだろうなぁっっ?!!!
(黒鉄··)
···わしは常に自由だ

わしの思うがままに生きている

ただそれだけの事··
なっ、何だと···っ?!
··それよりもな
··貴様のように下品極まりない輩が
わしは大嫌いでのう··
っっ!!!!!!
てめえぇぇっっ!!!
アスマさんっ
えっ?!
呪いを解くためには、アスマさんが羅刹をやるしかありませんっ!
っ!!
覚悟を決める時です!
おっ、俺がやるしかない···
この最悪な運命を変える為にも··
殺るしかない···っ!
く···っそがぁっ!!

何で月すら出てねぇんだよっ!!!

月さえ出ていればお前ら等、簡単に捻り潰せるものをっっ!!!
ふんっ、残念だったな羅刹··

運まで貴様を見放したようだ

『アスマ!』
っ!!!
『奴の隙を突くぞ!!』
猫又ぁ···っ!!

貴様から殺られたいのかぁっ?!

···誰に物を言っている
貴様ごときが、わしを殺るだと?

笑わせるな

(黒鉄が気を逸らしてくれている今しかない··)
貴様なんぞ所詮、落ちぶれた只の餓鬼にすぎん
その程度で付け上がるなよ?
っっっ!!!!
っ猫又あああぁぁぁぁぁっっ!!!





        グイッッッ





うわぁっっ
『常に攻撃体制でいろアスマ、行くぞっ!!』
わ、分かったよっ!





        ビュンッッッ





っっ!!!

ぐあっっ!!!

くっ!!

避けられたっ!!!

ア~ス~マぁ~~~っ!!!!!!
『防衛体制に入れっ!!』
ええっ?!







その瞬間、羅刹の両腕が刃物に変形し


凄まじい勢いで俺に向かって切りつけてきた

















   ガキィ――――――ッッッン!!!!



うぅっぉわあっっ!!





     ズサ―――――ッッ!!!




くっ、くそ····っ

何て力だよっ!!

『簡単に吹き飛ばされるなアスマ』
わっ、分かってるよっ
(羅刹の腕が刃物に変形した··、こいつも変化する事が出来るのか)
容易に近付けない···っ
アスマ~~っ!!
お前、俺を舐めすぎじゃあねえのかぁぁ?!
手負いだから勝てるとでも思ったのかよっ!!!!
·······っ!!
あの小娘の結界さえなければ··
お前なんて簡単に喰っちまえるんだぜ~っ!?
····そうは行かないよ
俺はもう、お前の呪いに苛(さいな)まれたりはしない···っ!
くっ、くく···
お前みたいな情けないただの小僧に何が出来るって言うんだぁ?!
お、俺は···自分の運命を自分の手で切り開く!!
て、言うか··

叔父さんの姿になるのやめろよっ!!!

···っくく

この方がお前ら戦いにくいだろぉ~?

(最低野郎です!)
『アスマ、羅刹の両腕の付け根を切り落とすぞ』
えっ?!
(う、腕の付け根··?!)
『腕の付け根は鋼ではない、超接近戦だ···、行くぞっ!』
··そもそもアスマ、お前なんか近寄る必要もなく簡単に切り刻めるんだよぉっ!!!!





そう言うと、


羅刹の腕はギュルギュルと伸び


俺に向かって襲いかかってきた





らっ、羅刹の腕が伸びたっ!!!
『アスマっ、体制を低くしたまま羅刹に向かって走れっ!!』
ぐっっ!!!




       ズダッッッッ!!!




っ!!!!!!
『接近するぞっ!!』
っくっそがああぁぁぁっ!!!!!
っ!!!




羅刹の腕は俺の頭上をかすめて


越えて行った




羅刹の腕が更に伸びてこっちに向かって来るぞっ!
『後ろを振り向くなっ!』
くっ!!
『やるぞっ!!!』
うあああぁぁっっっ!!!!!





   ザシュウゥゥゥゥゥッッッ!!!





っっっ!!!!?
ぐあぁぁああぁぁっっ!!!!
っ!!!!
や、やったぞっっ!!!
『アスマ、片腕しか落ちていないぞ』
えっ!!
『恐れるな』
『切り落とす瞬間は目を見開いていろ』
そ、そんな事言われても···
うぐぐぐぐぁぁぁ···っ
き、貴様ぁぁ···っ
··ハァハァ···ッ
ア、アスマさん···っ
レン?!
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登場人物紹介

名前 伊吹 遊馬(いぶきあすま)

年齢 19歳

身長 179㌢

体重 63㌔

趣味 弓道、スノボ、漫画、小説


本編の主人公。

極度な霊感体質な事から、有りとあらゆる百鬼から命を狙われている。

それ故に、物事を諦める思考のある性格。

レンに興味を持ち始める。

名前 櫻井 蓮(さくらいれん)

年齢 19歳

身長 150㌢

体重 内緒

趣味 お寺巡り、お経早口言葉、御詠歌


本編のヒロイン 

実家はお祓い家業を営んでいる。

アスマを助ける為に自らを犠牲にするが、犠牲とは全く思っていない根っからのお人好し。

名前 伊吹 悠人(いぶきはると)

年齢 35歳

身長 183㌢

体重 68㌔

趣味 カクテルの調合、アンティーク収集、ドリ車の改造


アスマの叔父【para ti 】のオーナー

自分の息子のようにアスマを可愛がっている。

女性関係には少々だらしなく、それ故に婚期を逃して未だに独身。

名前 宮琵 曄子(きゅうびようこ)

年齢 ???

身長 165㌢

体重 秘密

趣味 七変化、レンの子守


レンの親友

レンとは相当親しい間柄で、学校ではいつも一緒に過ごしている。

その正体は謎に包まれており誰も知らない。

名前 碓井(うすい)

年齢 33歳

身長 185㌢

体重 75㌔

趣味 車、バイク、バギー、


【Para ti 】のバーテンダー

見た目はヤバいく、口調も荒いが

実は紳士。

特にも女性には優しく、執事より人気が高い。アスマの事も可愛がっている。

名前 湊(みなと)

年齢 30歳

身長 177㌢

体重 62㌔

趣味 コース料理やスイーツの試作、海外で食べ歩き、彼女募集中


【Para ti 】のシェフ&パティシエ

基本的に落ち着いていて物静か。

生まれてこの方、怒った事が無い。

常に食材の事を考えている為、彼女にフラれる事が多い。

名前 ???

年齢 ???

身長 ·············

体重 ·············

趣味 ???


飼い猫のようだが·····?

名前 黒崎 陵(くろさきりょう)  

年齢 35歳

身長 175㌢

体重 65㌔

趣味 野良猫の保護と世話、読書、創作料理


黒猫マートの店長

スーパーの様な品揃えでありながら、実は24時間営業のコンビニ店長。

猫が大好きでとにかく優しい。何事も猫優先のため彼女が出来ない。

名前 櫻井 梗(さくらいきょう)

年齢 26歳

身長 178㌢

体重 59㌔

趣味 酒を飲む、自然の中で小説を読む、使い魔を従える


レンの兄

お祓い家業を営みつつ、神社の神主を勤めている。霊力が強く百鬼は近づこうともしない。··最近彼女にフラれた。

名前 黒鉄(くろがね)

年齢 630歳

身長 190㌢

体重 78㌔

趣味 佐助の守護、佐助と散歩、佐助と昼寝


佐助の飼い猫(人型バージョン)

630年の時を経て、佐助(黒崎陵)との再開を果たし、今を幸せに暮らしている猫又。超級百鬼であり、百鬼の中でも敵はいない程の強さを持っている。


名前 櫻井 蘭蕉(さくらいかんな)

年齢 30歳

身長 160㌢

体重 秘密

趣味 筋トレ、太極拳、少林寺拳法


レンの姉(長女)

基本おっとりしているが、趣味は大体護身術や体を鍛える事。

仕事はグラフィックデザイナーで、中間管理職。

男性との縁がいつもいまいち。

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