第三話 運命の数珠
文字数 3,243文字
ーPM 7時15分ー
《法願寺駅》
俺達がそんな話をしながら暫く歩いていると、目の前に古くてデカイ寺が現れた
直ぐに参りますのでお待ちください!
今、応答したのはどうやら修行僧らしい。
レンは、余程の顔見知りのようだ··
修行僧はそう言うと、俺達を寺の中へ案内してくれた。
寺の内部に入る事って中々無いからちょっとだけテンションが上がる··
··中庭は日本庭園になっていて、凄く綺麗に整えられている。
その先に住居用の玄関が待ち構えていた
··とても広い玄関で内部もかなり立派だった··
寺が広いのか、人が居ないのか、回りはシーーーン··と静まり返っている··
カッチ カッチ カッチ
カッチ カッチ カッチ
レンが気を使ったように喋りかけてきた
恥ずかし過ぎる··
と、思ったその時···
ガラッー···
俺は思わず、立ち上がって挨拶をした。
姿を現したその住職は恰幅の良い、優しそうな人だった··
ちょっとだけ傷ついた ・・って・・・
あれ?なんでだ?
この住職、ホントに悪いとは思ってないな··
ニヤニヤしている··
この住職···、見た目はあれだが本物か··っ!!!
またしても何が何やら理解が難しい··
レンの数珠にはレンの御先祖様の骨が入っている··と。
でもそれはレンの身を守る為に御先祖様が望んだこと··
と、なると俺の為にはレンの御先祖様の骨を数珠に入れるわけにはいかない··
そう言うことか··
大体何故、御先祖様の骨を数珠に入れるのだろうか?
あの時レンはー···
「私には守護霊と術がありますので··」とか言ってたっけ··
そうしてこの後、俺の為に数珠が用意され、レンの魂を繋げる儀式が行われた。
この先、少しは期待をしても良いのだろうか·· ?
今までとは違う生活が出来ることに··