第四話 露天風呂にて①

文字数 1,862文字




ーPM 8時30分ー



《法願寺ー客間》

                              



···レン、あのさ
····どうかしましたか?
····住職が、この数珠にレンの魂が繋がったって言ってたけど····
はい····
····体調とか··、何ともないのか?
あ····、はい····特にこれと言って、何事もなく···
そっか····、なら良かった··
···········

もしかして···

ん?
心配して下さったのですか····?
そりゃまぁ····、俺のせいでこんな事になってる訳だし···
····大丈夫ですよ··

全て、私の意思ですから

っ!!
そんな事より、そろそろ本気でお腹減りましたね~っ!
あ、あ~··· そうだな···




 レンは お人好しだ・・・

そう、「お人好し」と言う言葉がよく似合う。



逆に言うと、すぐに騙されそうで心配になるレベルだ。

・・・まぁ、俺が側にいるならそんな心配は無用か··





って··、ちょっと勘違いしてないか俺?そう言う事じゃないから!

少なくともレンにはそんな感情など無いだろう・・・


そう!俺にも無いし!そもそも会ったばっかだし!







········
大丈夫···ですか?
えっ?!
だっ、だだ大丈夫だよっ!!!?
(何をそんなに慌てているのか···)



         ····トントン



あっ、はい!
失礼致します····
精進料理では御座いますが、お食事をお持ち致しました
えっ?!
やあやあ、今日は土曜日だし、もう遅いからね、二人とも泊まって行きなさいよ
で、でも···、そこまで迷惑を掛ける訳には··
全っ然迷惑じゃないし~っ
まぁ···、強いて言うなら~···
明日のお祓いの手伝いをちょこっとしてもらいたいかな~って····
お祓いですか?
そうなのよ、

明日はねぇ···呪いの人形の依頼が入っててぇ~

の、呪いの人形·····?!

(嫌な予感しかしない·····)

うちの寺は何でも屋みたいなもんだしぃ~
(··ってか女子高生みたいな喋りになってんぞ住職··)
では、今日はお言葉に甘えて、その呪いの人形のお祓いのお手伝いで手を打ちましょう!
えぇっっ?!
あ、大丈夫ですよ!アスマさんの事は

私がお守り致しますので!

(ふ、複雑な気分だ、色んな意味で)












ーPM 9時20分ー



《法願寺-客間》




ご馳走様でしたっ
精進料理も結構お腹一杯になりますね~っ
そうだね

初めて精進料理を食べたけど美味かった!



                          ·····トントン


失礼致します

お食事の後は、お風呂も沸いておりますので遠慮なくお入り下さい

何から何まですみません~っ
とんでも御座いません····
お休みになられる際は、こちらのお部屋を二つに間仕切り致しますので、お隣同士でお休み下さい
あっ、はい!有り難うございます!
それでは、ごゆっくりどうぞ···
おもてなし力が半端ねぇ····っ!
旅館並みですね·····っ!
あ、ちょっと片付けて参りますので、お先にお風呂へどうぞ
このお部屋を出て、右へ行くと外へ出る扉がありますので
そのまま行くと、露天に繋がっていたはずです
露天····っ?!

寺に露天があるのか·····?

住職様の趣味なんでしょうねぇ~

あ、タオルと浴衣が置いてありますよっ!




坊主丸儲けとは言ったものだな··





····じゃあ、お先に頂きます
はーい、ごゆっくりです~






・・・・暗い・・・



寺の照明は薄暗い、雰囲気出しすぎじゃないのか··

何事も無いことを祈るしかないな··


と、思いながら歩いていると目の前に扉が見えた··






ガチャ-···








チラッ



            ホー··· ホー····



·····本当に露天になってるな
······ここの照明も白熱灯1つか··

                  


               

露天とは言えここは寺だ、 景色は最高とは言えない・・・

何故なら、岩と垣根で誤魔化してはいるが、隙間から見えるのは


 「墓」のみ、あまり見ないようにしよう。




                                 

さっさと済ませて上がる····っ





          ザブン-·····




          パシャ····




ふ-·······
(湯加減は最高か····っ!)




···カタン-···ッ




?!
(なっ、何だ?!)



カタカタッ


カタカタカタカタカタカタカタカタ-···



(これは····何の音だよ·····、俺の勘が警告を発してるぞ···!)


 


湯煙の中、離れた場所に何かが見える・・・?


··········何だ····あれ··?




  そこにいたものは····




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登場人物紹介

名前 伊吹 遊馬(いぶきあすま)

年齢 19歳

身長 179㌢

体重 63㌔

趣味 弓道、スノボ、漫画、小説


本編の主人公。

極度な霊感体質な事から、有りとあらゆる百鬼から命を狙われている。

それ故に、物事を諦める思考のある性格。

レンに興味を持ち始める。

名前 櫻井 蓮(さくらいれん)

年齢 19歳

身長 150㌢

体重 内緒

趣味 お寺巡り、お経早口言葉、御詠歌


本編のヒロイン 

実家はお祓い家業を営んでいる。

アスマを助ける為に自らを犠牲にするが、犠牲とは全く思っていない根っからのお人好し。

名前 伊吹 悠人(いぶきはると)

年齢 35歳

身長 183㌢

体重 68㌔

趣味 カクテルの調合、アンティーク収集、ドリ車の改造


アスマの叔父【para ti 】のオーナー

自分の息子のようにアスマを可愛がっている。

女性関係には少々だらしなく、それ故に婚期を逃して未だに独身。

名前 宮琵 曄子(きゅうびようこ)

年齢 ???

身長 165㌢

体重 秘密

趣味 七変化、レンの子守


レンの親友

レンとは相当親しい間柄で、学校ではいつも一緒に過ごしている。

その正体は謎に包まれており誰も知らない。

名前 碓井(うすい)

年齢 33歳

身長 185㌢

体重 75㌔

趣味 車、バイク、バギー、


【Para ti 】のバーテンダー

見た目はヤバいく、口調も荒いが

実は紳士。

特にも女性には優しく、執事より人気が高い。アスマの事も可愛がっている。

名前 湊(みなと)

年齢 30歳

身長 177㌢

体重 62㌔

趣味 コース料理やスイーツの試作、海外で食べ歩き、彼女募集中


【Para ti 】のシェフ&パティシエ

基本的に落ち着いていて物静か。

生まれてこの方、怒った事が無い。

常に食材の事を考えている為、彼女にフラれる事が多い。

名前 ???

年齢 ???

身長 ·············

体重 ·············

趣味 ???


飼い猫のようだが·····?

名前 黒崎 陵(くろさきりょう)  

年齢 35歳

身長 175㌢

体重 65㌔

趣味 野良猫の保護と世話、読書、創作料理


黒猫マートの店長

スーパーの様な品揃えでありながら、実は24時間営業のコンビニ店長。

猫が大好きでとにかく優しい。何事も猫優先のため彼女が出来ない。

名前 櫻井 梗(さくらいきょう)

年齢 26歳

身長 178㌢

体重 59㌔

趣味 酒を飲む、自然の中で小説を読む、使い魔を従える


レンの兄

お祓い家業を営みつつ、神社の神主を勤めている。霊力が強く百鬼は近づこうともしない。··最近彼女にフラれた。

名前 黒鉄(くろがね)

年齢 630歳

身長 190㌢

体重 78㌔

趣味 佐助の守護、佐助と散歩、佐助と昼寝


佐助の飼い猫(人型バージョン)

630年の時を経て、佐助(黒崎陵)との再開を果たし、今を幸せに暮らしている猫又。超級百鬼であり、百鬼の中でも敵はいない程の強さを持っている。


名前 櫻井 蘭蕉(さくらいかんな)

年齢 30歳

身長 160㌢

体重 秘密

趣味 筋トレ、太極拳、少林寺拳法


レンの姉(長女)

基本おっとりしているが、趣味は大体護身術や体を鍛える事。

仕事はグラフィックデザイナーで、中間管理職。

男性との縁がいつもいまいち。

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