第十三話 アスマの過去①

文字数 3,056文字






 -AM 11時15分-

《桜木町ー青葉通り》



欲しい物が手に入ってよかったね
はいっ! 

大した物じゃないんですけど···

以前、テレビで見た雑貨屋さんに置いていた面白いマスキングテープと、イケメン付箋!
学校で使いたくって!

来週ヨーコちゃんに自慢しよー!

······やっぱり
えっ?
レンは、笑ってる方が可愛いな···
っ!!?
また·····、そう言う事を···
·····え?
アスマさんは少し自覚が足りないのではないですか?
っ!!!
ご、ごめん
あ······、
··その····別に怒った訳では···
····レンは、俺みたいなヤツ好きじゃないでしょ?
······えっ?!
俺さ、何も考えずに思った事を口に出してしまう癖があって·····
···本当にごめん···気を付けるから···
·········
い、いや···· 別に嫌いとか、そう言う事では無くてですね·····
················
··················
······嫌いなら
え····?
アスマさんを百鬼から守ったりなどしませんよ····
っ!!
じ、じゃあ····
····ですが
そう言う、女性が勘違いするかもしれない言葉は慎んだ方が良いと思います
っ!!!!!
················
私は····その···、あまり男性慣れをしていませんので···
真に受けてしまわないようにするのが、やっとなんです····
そう言う女性がいると言う事も理解しておいて欲しいです····
······
····················
······················
ご、ごめん·····っ
いえ·····




  い、意外な言葉が レンの口から飛び出た··

最初は何を言っているのか分からないくらい 意外すぎて··


 ヤバい··

何だこれ··

めっちゃ恥ずかしくなってきたぞ

今度は変に意識しそう··


てか、レンにあんな事を言わせた時点で

 俺マジでないわ··


反省します··

ゴメンナサイ




あ、あの····っ
えっ?!
マ··、マフラーが欲しい···です
あと手袋も·····
う、うん!
じゃあ····、最近出来たデパートに色んなテナント入ってたから行ってみる?
はい!
(やっぱ、可愛い····)









  ーPM12時05分ー


《老舗丹百貨店》


流石に新しいだけあって綺麗ですね
うん、デカイ!
この時期はXmasの飾り付け等があるので、ちょっと嬉しいです!
····レンは、Xmasの予定は入れてるの?
····予定はまだ決めていません···
そっか····
アスマさんはXmasに予定とか入れたりするんですか?
ん~···、まぁ誘われたら入れる感じかなぁ?
お友達が多いと言う事は良いことですね!
··········
····あっ
可愛いマフラーを着けたマネキンがいますよ!
····シックで肌触りも良さそうです

····そのマフラー着けてみたら?


は、はいっ


ぐるぐるぐる


こ、こんな感じ···?
····レン、もう少し可愛い巻き方ってもんがあるだろ?
え····っ
             


はわわわわわっ


アスマさんがマフラーを 巻き直してくれています!!

こ、これは·····

近い······

 距離が近いですっ!


良くないっ!

良くないですよ·····っ?!



じっ、自分でやりますっっ
あっ···、ご、ごめん····っ
(また····、やってしまった···)
····················
······すみません、女子力が低くて··
えっ?!

そんな事はないよ?!

マフラーの巻き方なんていつも適当で·······










······












ズズズ·····














·····ん?
········?
·······どうかした?
あ、いえ·····何でもありません···
(今、何か聞こえたような気が·····)




ガシャンッッッッ!!!!





っ!!!!!!!!




····突然その音と共にこのデパートの照明が 一斉に落ち、その一瞬で昼間とは思えない程の闇と静寂に包まれた





レンっ?!




       シーーーーーーーーーーーーーーーーン-····





(····何で、こんなに静かなんだよ···)
(さっきまで人が沢山居て、ざわついていたはずだ···)
(レンだって今まで隣に居たのに···、今は気配すら感じられない·····っ!)




············








-····ちゃん··






っ?!







-····お兄ちゃんっ···    







この···声は·····













····お兄ちゃんっ





こっちだよーっ!







  キャハハハッッ































ミーーンミンミンミンミーン·····


ジージージー










一体、何がどうなっているのか全く分からなかったが··


··目の前には見覚えのある景色が広がっていた··




夏········?

ここは、田舎の婆ちゃん家の裏山だ·····

···························
···························
······あれ?俺は何をしてたんだっけ···












お兄ちゃんっ!!


あっちに川があるよーっ!












っ!!!!!!!
ま、舞香·····っ!!!

そっちに行くなっ!!!!













お兄ちゃんも早くおいでよーっ!










ダメだっ!!!戻れ舞香!!!















······きゃっ-···





っ!!!








うぅ····





お兄·····ちゃん····






あ、足-····






何··? これ····?






っ!!!!!!!!!





そこには-··

 血の気の全く感じられない白い手が··

妹の小さくて細い足首をぎっちり握り締めていた··



その手は川から伸び出ており、少しづつ引き始めたのだった··




ま·······っ







ぐいっっっ






キャッッッ










ドサッッッ









っ!!!!

舞香っ!!!!








ズルズル········














うわぁーーーーーーんっっ









お兄ちゃんっっ


お兄ちゃんーっ!!



怖いよぉぉぉーーっ!!





     





ズルッ



ズルズルズル-·····







(舞香が川に引きずりこまれる·····っ!)
やっ、やめ······っ







バシャッ-·····ッッ!!










バチャバチャッッッ






ガボガボッッ







お兄ちゃ-·····っ ガボッ




舞香っっ!!!!
      



 


       ダッッ!!!!






(早く······っ、助けないとっ!!!)



俺は必死で走り出し、舞香を救いに行ったその時··














        ドンッ!!!!






 




うわっっっ?!


(何かにぶつかった·····っ!)
····················
なっ、何だよ·······これ····



俺の目の前には、青く光輝く透明な壁が立ちはだかっていた··



何で····こんな所に·····

ひ、光の壁·····?!













お兄っ·····ちゃ·····ガボッ





た····すけ·······  て··











っ!!!!!
舞香っ!!!!



助けに行かなきゃいけないのに···

青い光の壁が邪魔で俺は妹の側まで行く事が出来なかった·····



どうしてだよ····

助けたらダメなのか····?!

舞香を死なせたくないのに···っ



 舞香····



っ?!
な·····んだこれ·····?
数珠·····?

何で·····こんなもんが腕に·····?

·····青く·········光ってる

も、もしかして

光の壁は····こいつのせいか····っ?!

っこんなもの·········っ
外してやるっ!!!!











       ガシッ!!!










···········さん······





っ?!
え·····っ?




アスマさんっ!!!!!




!!!!!!!!!








ヒュォオオォォ~~~ッッッッ











パッパー·····  

ブロロロロ-·····



··························っ!!!!
こ、ここは-····



俺が居た場所·······



そこは········




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登場人物紹介

名前 伊吹 遊馬(いぶきあすま)

年齢 19歳

身長 179㌢

体重 63㌔

趣味 弓道、スノボ、漫画、小説


本編の主人公。

極度な霊感体質な事から、有りとあらゆる百鬼から命を狙われている。

それ故に、物事を諦める思考のある性格。

レンに興味を持ち始める。

名前 櫻井 蓮(さくらいれん)

年齢 19歳

身長 150㌢

体重 内緒

趣味 お寺巡り、お経早口言葉、御詠歌


本編のヒロイン 

実家はお祓い家業を営んでいる。

アスマを助ける為に自らを犠牲にするが、犠牲とは全く思っていない根っからのお人好し。

名前 伊吹 悠人(いぶきはると)

年齢 35歳

身長 183㌢

体重 68㌔

趣味 カクテルの調合、アンティーク収集、ドリ車の改造


アスマの叔父【para ti 】のオーナー

自分の息子のようにアスマを可愛がっている。

女性関係には少々だらしなく、それ故に婚期を逃して未だに独身。

名前 宮琵 曄子(きゅうびようこ)

年齢 ???

身長 165㌢

体重 秘密

趣味 七変化、レンの子守


レンの親友

レンとは相当親しい間柄で、学校ではいつも一緒に過ごしている。

その正体は謎に包まれており誰も知らない。

名前 碓井(うすい)

年齢 33歳

身長 185㌢

体重 75㌔

趣味 車、バイク、バギー、


【Para ti 】のバーテンダー

見た目はヤバいく、口調も荒いが

実は紳士。

特にも女性には優しく、執事より人気が高い。アスマの事も可愛がっている。

名前 湊(みなと)

年齢 30歳

身長 177㌢

体重 62㌔

趣味 コース料理やスイーツの試作、海外で食べ歩き、彼女募集中


【Para ti 】のシェフ&パティシエ

基本的に落ち着いていて物静か。

生まれてこの方、怒った事が無い。

常に食材の事を考えている為、彼女にフラれる事が多い。

名前 ???

年齢 ???

身長 ·············

体重 ·············

趣味 ???


飼い猫のようだが·····?

名前 黒崎 陵(くろさきりょう)  

年齢 35歳

身長 175㌢

体重 65㌔

趣味 野良猫の保護と世話、読書、創作料理


黒猫マートの店長

スーパーの様な品揃えでありながら、実は24時間営業のコンビニ店長。

猫が大好きでとにかく優しい。何事も猫優先のため彼女が出来ない。

名前 櫻井 梗(さくらいきょう)

年齢 26歳

身長 178㌢

体重 59㌔

趣味 酒を飲む、自然の中で小説を読む、使い魔を従える


レンの兄

お祓い家業を営みつつ、神社の神主を勤めている。霊力が強く百鬼は近づこうともしない。··最近彼女にフラれた。

名前 黒鉄(くろがね)

年齢 630歳

身長 190㌢

体重 78㌔

趣味 佐助の守護、佐助と散歩、佐助と昼寝


佐助の飼い猫(人型バージョン)

630年の時を経て、佐助(黒崎陵)との再開を果たし、今を幸せに暮らしている猫又。超級百鬼であり、百鬼の中でも敵はいない程の強さを持っている。


名前 櫻井 蘭蕉(さくらいかんな)

年齢 30歳

身長 160㌢

体重 秘密

趣味 筋トレ、太極拳、少林寺拳法


レンの姉(長女)

基本おっとりしているが、趣味は大体護身術や体を鍛える事。

仕事はグラフィックデザイナーで、中間管理職。

男性との縁がいつもいまいち。

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