第二十一話 最悪で最高なXmasイブイブの夜②
文字数 2,384文字
PM 6時45分
《京極ホテル》
ビュッフェ
【Campanella】
こっ、ここは·····っ！
ディナービュッフェだよ
スイーツの種類も多いんだ
アスマさんて···色々知ってるんですね····
···以前、叔父さんに連れて来てもらった事があったから
(···本当は予約で一杯だったみたいだけどキャンセルがあったとは、まじでラッキーだぜっ！)
こんなに素敵な所でお食事をするのは初めてです····っ！
(良かった·····)
Xmasだしね！
はい····
私の家、櫻井家ではXmasなんてものは一切ありません···
なので勿論プレゼントなども貰った事が無く、私にとってこんなお洒落なお店でお食事だなんて夢のようなお話なのです
しかも食べ放題ですと！？
最高です··っ
あのさ
はい··
もし、今日あいつに誘われなかったら何してたの？
えっ···、そもそも誘われたって来る気はさらさらありませんでしたよ···
っ！！！
そっ、それは本当に申し訳無かったと反省しております···
ふふ··
えっ？！
···でも結果的に、こうしてアスマさんとお食事が出来ましたので···
····え
結果オーライと言うことで！
················
····レン
はい···？
···そう言う言葉は、勘違いを生むんじゃなかったの？
え·····っ
···················
(わ、私とした事が····、雰囲気に飲まれているのでしょうか···)
まあ、俺は大歓迎だけどね···
えっ？！
···な、何て言ったら良いのか···分かりません····が···
···もし、雰囲気に飲まれているのだとしても、それが私の···今の素直な気持ちです···
うん····
あ、そうだ···
本当は、明日渡したかったんだけど、一応今日持って来てたんだよね···
？
はい、Xmasプレゼント
えぇっ？！
でっ、でも私っ····何も··
何も···ありません····
レン、これはね···俺がレンに渡したくて持ってきただけだから
だから、レンは何も無くて良いんだよ？
そ、そんな訳には···
じゃあ···
今こうして、俺の誘いを受けてくれた事が俺へのプレゼントそのもの····って事で！
············
分かりました····
では···、開けて見ても宜しいですか？
うんっ
ｼｭﾙ－··· ﾊﾟﾗ···
····あっ
こ、これって····この間の老舗丹百貨店のマネキンが着けていたマフラー···っ！！
(めっちゃ欲しかったけど、百鬼に邪魔されて買えなかったやつだ···っ！)
···覚えていて下さったのですか···
···まぁ、レンが欲しそうにしてたからね
(今日は邪魔されなくて良かったよマジで)
本当に···有り難うございます···っ
うん··
最初はどうなる事かと思ったが···、何だかんだでうまく行って良かった
だが··、時間は既に百鬼夜行タイム··
この後が問題なんだよな
次のプランもまだ決めかねている··
だからってこのまま帰りたくは無いけども！
··どうしたものか
－PM 8時30分－
【Campanella】
とても美味しかったですねー！
ビュッフェはどうしても食べ過ぎるなぁ··
でも、アスマさんは結構スリムですので、食べ過ぎくらいが丁度良いのかもしれませんよ？
そ、そお？
今日のような服装ですと、体のラインが出てしまいますから···
とてもスタイルが良くて羨ましいのですけどね！
それ、誉めてるの？
勿論です！
レンはちっちゃいから沢山食べないと大きくならんな
もう、これ以上は伸びませんよ···
そお？
····また意地悪な事を··
····ほんと
(可愛いなぁ···)
···？
よーし····っ
····じゃあ、次行ってみる？
つ、次？
有り難うございました－···
－PM 9時15分－
《神住(かすみ)参道》
こっ、これは······！！
イルミネーションです·····っ！
···この辺だと一番キレイなんだよ
···本当にキレイです·······
·········
(···イルミネーションに照らされたレンは一段と―――――)
なんか····
眩しい····
っえ？！
あ、いや·····
確かに····眩しいですね
電飾が
うん
ﾃｸﾃｸﾃｸﾃｸ－···
ぬ？
············
うわあっっ！！！
えっ？！
あれ？
店長さん？！
こっ、今晩は！
今晩は！
な、何しているのですか？
勿論、黒鉄と一緒にイルミネーションを見に来たんだよー？
·····そんな訳がなかろうが
っえ？！
あ、因みに俺の名前は、
黒崎陵(くろさきりょう)って言います！宜しくね！
あ、私の名前は櫻井蓮です！此方こそ宜しくお願い致します！
あ、俺は····知ってますよね···？
うん、知ってるよ！
あ、でも·····確か黒鉄さんは陵さんの事を、佐助って呼んでいませんでしたか····？
へぇ～、流石だねぇ！
よく覚えていたね！
あ····、はい··
······2人は、デート中？
えっ···、えーと···まぁ、そんな感じです
··········
じゃあ、邪魔しちゃ悪いから····
ま、待ってくださいっ
·········
えっと····、もしお時間が大丈夫でしたら、その···お話を聞かせて欲しいのです··
····レン
····俺たちの関係···について知りたいんだったよね···？
はい····っ！
··············
丁度今から帰る所だったから、うちに来るかい？
でも、営業中ですよね？
大丈夫なんですか？
大丈夫だよー！家と繋がってる店だし！
で、では····アスマさん！
う、うん···
この2人？が何故こんな所にいるのか、とても謎だったが少なくとも店長さんだけは信用出来ると思う··
確かに2人？の関係も気になるし···
だが、俺的にはちょっとだけ邪魔された感が否めなかった··
最悪で最高でちょっとガッカリなXmasイブイブだったな··
··てか、イブイブって何だよ··
