第十二話 それぞれの思い
文字数 2,979文字
············
ヒソヒソ-·····
アレハ···何···ダ···
触ワレヌ···触ワレヌ····
ヒソヒソヒソ-·····
邪魔····ダ····
邪魔ナモノハ·····
喰ッテシマエ····
ヒソヒソ-····
12月8日(土)
-AM 7時30分-
《レン自宅》
ジリジリジリジリジリッッッ
バンっ!!
ガシャンッ
···頭の中にザワめくモノ達の声が次から次へと押し寄せてくる
あまりの煩さにアレらの声なのか、目覚まし時計の音なのか分からなくなっていた
そして目が覚めた時、目覚まし時計は壁に直撃し、無惨な姿になっていた
-AM 8時30分-
《アスマ自宅》
ピッ
-AM 9時30分-
《二ツ神駅》
なんて···
レンの事は信じているものの、謎が多すぎて疑心暗鬼になっていたその時
~♪~♪♪~♪~
····まもなく3番線に電車が参ります
お乗りの際は白線の内側までお下がりください-·····
カタンカタン カタンカタン
レンはきっと、俺みたいなヤツがあまり好きじゃないんじゃないかって勝手に思ってたけど··
少なくとも嫌われてはいないようだ··
と、思いたい··
せめて今日はレンの為だけに1日一緒に居よう
··なぁんて思っていることをレンには悟られないようにしないと···
··キモいとか思われたらマジで生きていけないぜ··
アスマさんは都会の人だし、きっと女性慣れをしている
それに引き換え、私は男性に対しての耐性が殆ど無く··
どの様なリアクションをしたら良いのかも分らないと言う田舎娘っぷりだ
そんな私に対しても、アスマさんはいつも優しくて、落ち着いていて、紳士的なイケメンで接してくれる···
彼のその姿勢は常にそうで、私にだけ特別な訳ではない··と思うようにしなければならない
そこだけは勘違いをしないようにしないと、いつかアスマさんを困らせてしまうかもしれないし···
今はとにかくアスマさんを百鬼から守り抜く為にも、この関係を継続させる必要がある··。
私的な想いは封印しないとね···