第１１話　『正直苦手な都道府県』～会津の長州嫌い～

　みなさんはこの画像をご覧になったことありましたか？　私、気がついたら１５分くらいぼんやりこの画像を見ていたんですよ。
顰蹙(ひんしゅく)を買うかもしれないけど、面白すぎるなと思って。（小声）

　まず釘付けになったのは、「福島県」。
会津人の長州憎し、戊辰戦争、白虎隊の恨み。バチバチですね。

　お相手の長州、「山口県」はというと……「広島県」が苦手！　バチバチじゃないんだ。
ちょっと待ってください、「広島県」は包囲網敷かれていますね、これぞ見事な四面楚歌。
よーく目をこらすと、隠岐諸島も広島アンチ？　

　謎は、千葉県。なぜ京都？　
私みたいな察しの悪い人間からすると、確かに京都の”いけず”には恐怖を覚えますけど、なぜ千葉県が？

　おおむね東西で分かれる「東京VS大阪」かと思いきや、ポツンと山形県と山梨県の東京アンチ。足並み揃わないなぁ。２県が孤立しているようにすら見える。

　私は個人的に「結果が拮抗」の岩手県、群馬県、鳥取県、大分県に闇を感じる。個人的な意見ですよ。


　やはり初見でインパクト大だった、福島県（会津）と山口県（長州）の確執について喋らせてください。ネットにはこれぞ「枚挙にいとまがない」エピソードの羅列。

・（山口県人が福島県に旅行に行った際の注意事項）
「福島でタクシーに乗って運転手から出身地を聞かれたら、死んでも山口と言ってはいけない」

・（福島県の大病院に山口県出身の医者が赴任。その際の事務局からの注意事項）
「先生、患者に出身地を聞かれても、絶対に言わないでください。とくに年寄りには」

・（山口県の大学が福島県にゼミで訪れる際の注意事項）
「どこから来たのか尋ねられたら、大学の場所ではなく、自分の出身地を答えるように」

・ロミオとジュリエット張りに結婚を親から反対される。
「長州人との結婚は認めん」

・東日本大震災のとき、山口県人が福島県にボランティアに行こうとしたら……。
「トラブルになるかもしれないからやめた方がいい」（←これ怖い）

・会津では、「維新１５０年」ではなく、「戊辰１５０年」
「維新１５０年」と認識するのは勝者側、旧幕府についた敗者側の認識は「戊辰１５０年」だそうです。

・昭和６１年（１９８６年）、山口県萩市（長州藩首府）から福島県会津若松市（会津藩首府）へのご提案。
萩市から「戊辰戦争からもう１２０年も経ったので（これを機に和解しましょう）」
と友好都市締結を申し入れたが、
会津若松市は「まだ１２０年

しか

経っていない」「会津藩主の孫がまだ生きている」
と断った。

・平成２３年（２０１１年）東日本大震災のとき、山口県萩市は福島県会津若松市へ多額の義援金や救援物資を送った。が、会津若松市長は「和解とか仲直りという話ではない」と述べた。

　なかなか和解へのハードルは高いですね。

　そして２０１９年１１月６日、やっとこんな新聞記事を見つけましたよ。
『萩市長、初めて若松市公式行事へ』
萩市長はこれまでも会津若松市訪問をされていたけど、非公式だったようです。
大震災で多額の義援金を寄せた萩市の功績が認められ、市政施行１２０周年記念式典で表彰対象となりました。


　萩市からの和解の申し出は何度かあったようですが、会津若松市はそれを断ってきました。
地元では「（萩市との）握手１回で１０００票減る」と囁(ささや)かれてようで、市長として慎重にならざるおえなかったのでしょうね……。
でもこの騒動（和解拒絶）をきっかけに、両市の商工会議所などを通じて民間レベルでの友好交流は始まったようです。


　最後に紹介するのは、会津藩校日新館の館長さんの言葉です。
「会津だけが長く賊軍の汚名を着せられた。そういう歴史を消して握手する仲直りはできない。しかし、会津も長州も一緒に世界のために貢献していかねばならないとき。”和解や仲直り”などと言わず、民間レベルで黙って仲良くしていけばよい」
これぞまさしく頑固一徹「会津っぽ」ですね。でも雪解けは近いのかも。

　実は、館長さんの話で私が驚いたのは、
「（和解したら）会津の悲惨な歴史をなかったことにするだけでなく、（１６００年の）関ヶ原の戦いの雪辱を果たした長州人の思いにも背いてしまう」
という言葉でした。


　そこで歴史クラスタのみなさんにお伺いします。
戊辰戦争って、関ヶ原の戦いのリターンマッチなんですか？
　
私は歴史知識ゼロなので頭がパンクしそう。調べれば調べるほど、ドツボに嵌(は)まって失言しそうなので、この辺でやめておきます。
でも、歴史を知ると奥行きが出てくるものですね。

　最初の日本地図に戻りますが、今までの経過を踏まえると、山口県は冗談でも「（苦手な県は）福島県」とは言えませんね。（また戦争が起こってしまう）