第35話 さしたる理由なく学校を休んでいるあなたへ

文字数 960文字

 あまり自分を責めないでください。

 学校に行かない理由はあったり無かったり、さまざまかと思いますが、とにかく「だるくてしんどい」あなたが見えます。
 私には、緊張で張り詰めたゴムが長い間その状態が続いたために、伸びきって力を失っているように見える。
自律神経の緊張状態が長い間続いていたのではないですか?

 学校に行けない理由を無理に言葉にしなくてもいいです。
言葉にした途端に自分から離れて、一人歩きしてしまうような気がしませんか?
心は混沌のスープ。無理に言葉にするのは上澄みだけをすくっているようなもの。
それに自分で発した言葉の「型」に、自らをはめ込んで窮屈にしてしまうかもしれない。
あなたの痛みは現在進行形で、まだ語れる物語にはなっていないように思う。

 それに、おためごかしの解決策、励ましをもらっても、虚しいだけでしょう。


**********

 私は小学5、6年生の頃、仮病の常習犯でした。
月・火・木は休みたくなったし、実際月曜日はしょっちゅう休みました。あとはお昼で早退したり、保健室で寝ていたり。
いじめなどではなく、単なる怠け癖です。

 親が商売で忙しいので、自分で空咳しながら「喘息で休みます」と学校に電話して、電話が終わるとホッとして少し元気になりました。それからはテレビを見たり本や漫画を読んだり。
 でも何度も「自分はダメな人間だな」と天井を見ました。
無気力な上に卑屈になっていました。

**********


 去年からの、コロナ禍に対応したリモート授業の導入は「いいなあ」と素直に感じました。
自分が小学生なら、コロナ禍が収束しても定着して欲しいと思うでしょう。

 学校に登校することがしんどい生徒に対し、授業スタイルの選択肢が増えるのは望ましいと思います。学校側の対応が大変かもしれませんが。
学校へ行きたくても行けない生徒が、学ぶ機会を失って欲しくない。
中には学校に行けないだけで、学ぶ意欲のある子が必ずいるはずだから。

 長い人生において、1年や2年、3年のブランクは単なる誤差。
あまり卑屈にならないで欲しい。(あの頃の自分にも言っています)

 状況はいつか変わりますから。
心は変わることを避けたがるけど、その時がきたら、思い切って変わってみてください。


(今回、以前ファンレターや返信で記載した内容が一部重複しています)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み