第33話 『カムカムエヴリバディ』りっちゃん(川栄李奈)

文字数 957文字

 面白いですね、朝ドラ。前回から引き続き楽しんでいます。
現在、りっちゃん(川栄李奈)のターン。

 りっちゃんといえば、元AKB。
ロリロリなルックスと、バラエティのテストで最下位をとるおバカキャラにヤンキーチックな言動、デビュー当時から異彩を放っていました。
元AKBで大成功しているといえば、さっしー(指原莉乃)とりっちゃんの二人ではないでしょうか。
りっちゃんの女優業が軌道に乗ってよかった。「大月ひなた」役は、まるで憑依しているかのように感じます。

 そんな明るいりっちゃんだけど、私が忘れられないのが「AKB握手会傷害事件」の被害者であるということ。
あれは2014年、岩手県での出来事でした。

 「失業したことで、社会への鬱憤晴らし」という動機で、ファンでもなんでもない男が握手会レーンに紛れ込み、入口の一番近くにいたりっちゃんを改造ノコギリで切りつけたんですよね。
隣の入山杏奈ちゃんも負傷した、あと止めに入った男性スタッフも。
私の記憶では、一番ひどい怪我を負ったのがりっちゃんだったような。
あのとき、りっちゃんはファンサービスのために笑顔で立っていた。そして不意に襲いかかられた。「殺される」「死ぬ」を強く意識したはず。

 当時AKBは、東日本大震災の被災地訪問活動を熱心に取り組んでいました。
月一で6~7人のメンバーが被災地を訪れ、子ども達を対象に無料ライブ。
私はそれを見たのがきっかけで、当時オタになりましたね。
いや、だって、被災地の子ども達があんなに喜んで一緒に歌って踊っているのを見たら、目頭が熱くなりますよ。
で、最初は十把一絡(じゅっぱひとから)げに見えたメンバー達が、目が慣れてくると区別がついてきて、そしてなんとなく「気になる子」が出てくるものなんですよ。
元から可愛い女の子のダンスは大好きですからね……。(静かな目で語るオタ)

 ああ、メンバー達が粛々と被災地活動を行っていた岩手で、こんな事件が起きるとは……。

 りっちゃんはあの事件で、「死」を乗り越えたような気がする。
だからりっちゃんの演技は、振り切れているような印象を受けるのかな、などとふと思いました。

 しかしまあ……49才で18才を演じて違和感の無い深津絵里さんといい、子供がいるようには見えない27才のりっちゃんといい、この瑞々しさは新種の妖怪かなにかですかね?

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