第10話 ファンシーが不得意

文字数 1,299文字

「エモ」に引き続き、「ファンシーなもの」も不得意なのです。

ふふっ、ここではそういうことを言えるから嬉しい。もしかして似たような人がいるかも、と思って。え? いない!?

 (ちまた)では「女子(おんなこ)どもはファンシー好き」と、なっていますよね。安っぽい幼稚な(がら)が入るのなら、無地でいいのです。
 それから、ブランドにも一切興味がありません。時計は時間がわかればいいし、バックは物が入ればいい、軽いエコバッグは最高。

 以前、夫が海外出張(といえば聞こえはいいけど、偉い人の(かばん)持ち)に行くとき、
「お金貸して」
と言われ、20万円貸しました。それで私へのお土産にグッチのバッグを買ってきたという……。私が貸したお金で、私へのお土産?
「え?」
「安かったんだよ、……あれ? 喜んでもらえると思ったんだけど」
夫がしょんぼりしたので、こわばった顔のままとりあえず「ありがと」とは言いましたが。???でしたね。
(貸した20万円の回収はけっこう手こずりました)


 それからこれはカミングアウトをためらったのですが、小さい頃から『デ○ズニーランド』に興味がないのです。
ランド大好きな女子に、
「ミッキーの着ぐるみのスタッフって何人もいるだろうけど、必ず一匹しかランドに出現させない設定なんだって?」
と尋ねたところ、
「ミッキーは“一人(ひとり)”だから!」
と注意された記憶が。

あ、でも最近ランドの効能を知りましたよ。
ビックサンダーマウンテンに乗ると、腎臓結石を排出する効果があるらしいです。
『のべ60回、後部座席に乗ったところ、64%の排石率を達成』(2018年イグノーベル医学賞受賞)
…………

 それから(きら)びやかであざといライトアップも苦手です。
「ほら綺麗だろ、こういうのが好きなんだろ? 愚民どもめ」と、バカにされているような気分になるのです。
そう考えると、私は面倒臭い人間ですね。
「綺麗でしょう? 日頃の()さを忘れ、ひととき夢の世界に浸ってくださいね」
なんですよね、実際は。

 興味はないけれど、子育てのノルマとして息子を連れて行きはしましたよ。ランドに。
何故か息子は小学生のころ、ティム・バートンの『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』にハマったので、ハロウィンシーズンには連れて行かざるおえませんでした。ランド、新幹線使ってもゆうに2時間ちょっとかかる。もしかして、近い方?
あとは学童保育の親子みんなで大型バスで行ったことがありましたが、そのときは楽だった。そして、息子が友達と一緒にはしゃいでいる姿は最高だった。


 そのようにファンシー的なものと距離をとってきた私ですが、つい最近、ファンシーのメリットを知りました。
ファンシーな(つまりダサい)名前のビルには、反社(はんしゃ)が入居しないのだそうです!
なるほどなー。
ネットでは「ひよこビル」、「いちごビル」とか例えに上がっていました。たしかに反社の待ち合わせ場所にも避けそうですね。

 もしビルを持ったとしたら……みなさんはどんな名前のビルにしますか?
「なかよしビル」とかいいですね。略して「なかビル」。「ともだちビル」とかも。宗教臭い?
なんとなく、こだわりのない国籍不明の人とかが入居しそう。
意外と難しいものですね。


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