第15話 小山田圭吾氏いじめ炎上騒動

文字数 1,873文字

 最近のネットニュース、小山田圭吾氏の「障がい者いじめ自慢」。

 小山田氏が学生時代、クラスメートの障がい者に対し集団でいじめを行い、成人後、いじめの内容を雑誌のインタビューで面白おかしく披露していたという記事がネットニュースになっています。
そしてその内容はといえば「いじめ」ではなく、暴行と認識させるものでした。

 私は、あまりに内容が酷すぎるので、サブカル界隈の(当時)若者が不良アピールで話を盛ったのではないかという懸念(けねん)がよぎりました。
でも事実かどうかは別にしても、こういったことを吹聴(ふいちょう)するということは、人間性を疑ってくださいと言っているようなもの。


 小山田氏は大炎上し、その所業は毎日掘り起こされました。
最近見たのは、小山田氏がいじめていた知的障害者のクラスメートからもらった年賀状を、その子とその親ともども嘲笑しながら雑誌に(さら)している記事。

あ、小山田氏は、いじめを継続して行っているんだ。

晒された年賀状を見て、私の中で懸念は払拭(ふっしょく)されました。
それで急遽(きゅうきょ)、小山田案件をとりあげることにしたのです。そしてなるべくならオリンピック開会式に間に合わせたい。
(補足:小山田氏はオリンピック開会式の楽曲担当を7月19日に辞任しました)


 私は一連の炎上騒動を見て、ある感慨が湧き起こりました。
昔に比べ、格段に良い世の中になってきているということ。
コンプライアンスの整備により、ここ10年くらいで社会が良い方へ変わってきたという体感があります。悪いことをなあなあにしない社会。

いじめを武勇伝のように語る加害者が、逃げ切ることのできない世の中です。

 なかにはごく一部で擁護(ようご)めいた声も聞こえます。
「90年代サブカル界隈はこんな空気だった」
「25年前の話をいつまで叩くんだ」
「叩いている人は聖人なのか」

本質からズレて空虚さを感じますね。ダメなものはダメという根本を見逃そうとしている。
単に議論がしたいだけなのでしょうか。注目されたいとか? 
本件に限らず、いじめを受けた側はその傷を忘れられません。謝罪されたとしても、傷は元には戻らない。
被害者がダメージを抱え続けるであろうその後を思うと、いじめ、虐待に時効は無いものと考えています。


 じゃあ、どうしたらいいのか。

 私は小山田案件が、メディアに晒され続けることが意味のあることだと思います。

 いじめ加害者は、社会的信用を失い、こんな風にダメージを受け続けるものだと拡散されれば、いじめの抑止力に繋がるかもしれない

 いじめは、する方も自分の将来を損なうものだと知って欲しいのです。
これは子どもに限った話ではありません。実年齢と精神年齢はまったくの別ものであり、全方位へ向けての言葉です。
それが伝われば、この一連の騒動も少しはプラスに転じるというもの。


 それともう一つ。
小山田氏が通っていた学校。共同教育(各クラスにハンディキャップを持った児童を受け入れる教育、インクルーシブ教育)の実践というものを行っているらしいけど、その実情はどうなんだろうかという点です。
昔の話をしているのでないです。現時点での全国のインクルーシブ教育実践校で、ちゃんと配慮がなされているのかということ。

 この騒動がこうやって波紋のように広がり、日の目を見ない問題の改善のきっかけになればいいと思います。
こうしている間も、理不尽な仕打ちで誰かが泣いていて、周囲も心を痛めている。
晴れ渡る爽やかな日でも、雨の日でも、いつもそれが心をよぎるのです。


 小山田氏はオリンピック開会式の楽曲担当を受けたばっかりに、過去を晒されました。
今後、公的な仕事は公明正大な人間しか引き受けられませんね。
でもそれは、至極(しごく)真っ当なことだと思いませんか?


【追記】
 今回私は、小山田氏が知的障害者のクラスメートからの年賀状を晒した画像を見たことがきっかけでこの文章を書いたのですが、一つだけ気になる点があるのです。
クラスメートからもらったの年賀状を記載します。

   明けましておめでとうございます。
   手紙ありがとう。
   三学期も頑張ろう。
   昭和五十六年 元旦

“手紙ありがとう” とあるのがちょっとだけ引っかかるのです。授業かなにかで書いた手紙かもしれないけど。……もしかして流布しているイメージとは違う関係性があったりするのかな。

小山田氏を擁護する気はまったく無いですよ!! 
いじめる前にもらった年賀状かもしれないし。そして暴行していた障がい者ってこの人なのか? それとも複数の障がい者をいじめていたのか? 
頭痛くなってきた。この件は沼だな、そして文章は怖いな。


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