第27話 (今ごろ)セルバンテスの思い出①

文字数 1,213文字

 始まりは息子が高校3年、大学受験の頃です。
私の意識がガッツリ息子に向いていると、息子はさぞかし鬱陶しいだろうと考えました。学生時代の私は、親からなにか言われるたびにムカついていたことを思い出し。

 そこで意識を息子から少し反らそうと思い、なにか趣味を持とうと考え……
手軽にできそうだと思ったのが、文章を書くことでした。

 読書家でもない私は難しいことや長編は書けないけど、ショートショートならもしかして書ける? と今思い返すと()めくさった考えで公募サイトを見ました。どうせ書くなら何かに応募しようと考えたのです。

 とりあえず恋愛モノ、お仕事モノなど合計3本ぐらい形にして、適当に出して、引っかかったのがコバルトの短編小説新人賞「もう一歩の作品」……今とは違うペンネームでした。
で、続けてまた、コバルト短編小説新人賞に応募しましたが、今度はかすりもせず。脱力しました。

 思い返すと、この頃はまさしく「ダニング=クルーガー効果」、認知が歪みまくっていますね。
能力の低い人が、自分を正しく評価できずに過大評価してしまうアレです。


 ふと、最初から賞狙いなんておこがましいのでは? 投稿サイトとやらで練習した方がいいのではと、急激に謙虚な気持ちになりました。

 そこで投稿サイトを覗くとそこは樹海のよう。遭難しそう。
小説投稿人口がこんなにいるとは!そして感じる圧!!
私は自分の年齢を考慮し、落ち着いたサイトの「セルバンテス」を見つけました。


 2019年の暮れ、12月25日にそれまで書き溜めていた長編を数話、セルバンテスにアップしました。『逢魔が食堂へようこそ』です。
もう息子は家を出て大学2年生になっていました。小説を書くことで、息子不在の寂しさを少しは紛らわせることができたと思います。

 アップして少しすると、なんと「フォローされました」のメッセージが!
ノベルデイズでいう「作者お気に入り」です。
私は驚き感激して、フォローしてくれた方のホームを覗きました。(セルバンテスはフォローした人の表示/非表示が選べるシステムで、この方は表示設定でした)

「お……これは」
その方は男性で、アップしている作品というのは、あのですね、えっと、……いつまで抜かないでいられるかという耐久日記、それがすごい話数で……
今思うとフィクションなんでしょうけど、なぜか実録のように感じ、童貞なのかしら?体に悪いんじゃなかろうかと心配になりました。
……記憶が定かではないけど、文章自体は読みやすくほのかに教養、高学歴を感じさせる方だったような。
お名前は覚えていません。

 そしてこの方、かなりの方をフォローしフォローされています。目についたビギナーをフォローしているのでしょうか。
小説投稿しぐさが今ひとつわからない私でしたが、フォローしてくれた恩義を感じ、意を決しフォローしました。
セルバンテスの仲間に入れた気がしたので。

 私の投稿デビューの思い出といえばこれですね。

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