第12話 昔々、サイキックお局がいた話
文字数 832文字
妖怪話。
昔々、お局 様がおった。
仕事は自分勝手で承認 欲求が桁外 れに強く、そしてたいそう嫉妬深かった。
周囲は手を焼いておったが、人間離れした攻撃力を装備していたため、触 らぬお局様に祟 り無しとして、放置されておったのじゃ。
(文体を戻します)
才色兼備 なAさんが昇格することになった。お局様より格上 へ。
昇格が決まった日、Aさんは原因不明の激しい頭痛に見舞われた。
「急に頭が割れるように痛くなって。きっとお局に呪われたんだと思う」
「ああ、絶対にそうですね」
「悪い念 を飛ばされましたね」
全員で納得した。
その日からお局様は
「Aは身体を使って上司に取り入って出世した」
と、事あるごとに周囲に触 れ回るようになった。
私はそれをお局様から聞かされたとき、
「ええ~、まさかそんなこと無いでしょ~」と半笑いで返してしまい、
「あなたは本当になにもわかっていない、ぼんやりし過ぎ!」と睨 まれた。
数年後のこと。
お局様にも仲間はいた。その仲間Bが、お局様より上へ昇格した。
Bもまた、そのとき原因不明の激しい頭痛に襲われたのだ。そしてその日からお局様にロックオンされ、攻撃対象となってしまった。貴重な仲間だったのに。
ロックオンしてあら探しをして、そして針小棒大 に言い立てる手口。そしてBはいまだに『閃輝暗点 』という頭痛に悩まされている。
お局様は転勤して、すでに定年退職をしているというのに。
つまり私が言いたいことは、人は「念 」を飛ばすことができるってこと。
以前テレビで芸人の友近 が、
「怒りすぎて部屋の観葉植物が枯れた」という話をしていた。
私はそのときは「へえ」ぐらいの感想だったけど、それを実感する日が後 にやって来る。
私の身の上に、ショックな出来事が起こったときのこと。
家の塀に絡 まっていたアイビーが全滅したのだ。まだ初秋だったのにカラカラに枯れてしまった。偶然とは思えなかった。
アイビーには非常に申し訳のないことをしたが、私の “念”が、人に向かわなくてよかったと、そのとき思った。
昔々、お
仕事は自分勝手で
周囲は手を焼いておったが、人間離れした攻撃力を装備していたため、
(文体を戻します)
昇格が決まった日、Aさんは原因不明の激しい頭痛に見舞われた。
「急に頭が割れるように痛くなって。きっとお局に呪われたんだと思う」
「ああ、絶対にそうですね」
「悪い
全員で納得した。
その日からお局様は
「Aは身体を使って上司に取り入って出世した」
と、事あるごとに周囲に
私はそれをお局様から聞かされたとき、
「ええ~、まさかそんなこと無いでしょ~」と半笑いで返してしまい、
「あなたは本当になにもわかっていない、ぼんやりし過ぎ!」と
数年後のこと。
お局様にも仲間はいた。その仲間Bが、お局様より上へ昇格した。
Bもまた、そのとき原因不明の激しい頭痛に襲われたのだ。そしてその日からお局様にロックオンされ、攻撃対象となってしまった。貴重な仲間だったのに。
ロックオンしてあら探しをして、そして
お局様は転勤して、すでに定年退職をしているというのに。
つまり私が言いたいことは、人は「
以前テレビで芸人の
「怒りすぎて部屋の観葉植物が枯れた」という話をしていた。
私はそのときは「へえ」ぐらいの感想だったけど、それを実感する日が
私の身の上に、ショックな出来事が起こったときのこと。
家の塀に
アイビーには非常に申し訳のないことをしたが、私の “念”が、人に向かわなくてよかったと、そのとき思った。