第3話 くだものだもの

文字数 868文字

 お店から苺のパックが消え、少しずつカットされたスイカが出回るようになりましたね。私が果物から季節を感じるようになったのは、ごく最近。そうそう、メロンの食べごろって難しいですよね。仏壇に大事に大事に飾ってあったメロンが熟れ過ぎて大爆発! なんて話を聞いたことがあるでしょ。メロンは食べられなくなるし、何より飛び散った残骸を誰が片付けるんですか。

 佐藤錦の

って、開発者の氏名だということを知り、また1つ雑学が増えた。しかも誰でも栽培できるように、登録もしていないそう。よって山形の畑に広がり、代表的な果物になったということだ。奇特(きとく)なお方。私には果物王国との呼び声高い、山梨に親戚がいる。弟嫁の実家。今はお母さん、おひとりで桃を作っていらっしゃる。

 8月6日は下の子の誕生日。ちょうど桃の収穫時期にあたる。子どもが、ものごころついた折から、毎年桃が届くようになった。1ケースで20個余り。その中の1つには葉っぱがチョロンと付いている。お母さんの粋な計らい。家族4人で食べるには少し多いので、お裾分けするのが常だ。そのときは、必ず下の子にお伺いをたてる。名目上は下の子の物なので。そのお母さんが先日来より体調を崩されて、弟嫁が介抱に行った。幸い大事に至らず回復されたが、お年を召しているので、桃作りもそろそろ終盤ということか。

 私が好きな果物は、ズバリ、巨峰。若いころは、あまり意識して食べていなかったが、年々歳々私の舌を唸らせてきた(大袈裟な)。だから、遺影の前に飾る物の1つとして伝えてある。ちなみに苦手な物は、生りんご。歯触りが、生理的にダメ。ジュースやアップルパイの(たぐい)は大丈夫。だから夫は自腹で自分のりんごを買ってきては、私の耳の届かない所でコソッと食べる。人が食べている音もダメなので。陳謝。

 ここで、私の秘策をご紹介。今、メロンが食べたいなら、半切りされてパックに入った値下げの品をお買いになって。まさに食べごろ。そこの奥さま?恥ずかしいなんて言ってたら、熟れたメロンの美味しさなんてわかりませんよ。一度お試しくださいませ。
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