第22話 ネガティブ遺伝子

文字数 862文字

 まぁ〜、次から次へと……
来月、夫が大腸ポリープの切除手術をすることになりました。日帰りなので、気持ちは少し楽です。ああ、私がね。

 夫は還暦を超えてから、病院通いが増えた。少し前は膝、その次は五十肩、そして今回だ。去年の暮れに寺院を訪れたとき、還暦が厄年であることを知った。お祝いに贈る赤は、厄払いの意味がある。それも知らなかった。昔と比べ今の60代は、若いと言われることもあり、赤い物はかえって当人に悪いかとの配慮で、贈っていない。厄が除けられなかったか (謝)

 夫の家系は、大腸が弱いようだ。義母も義姉も大腸ガンの手術をしている。夫も今回はポリープだが、いつ、ガン化してもおかしくない。これから先、モグラ叩きのように、出ては叩くことになるのだろうか。

 初診で病院に行ったとき、症状や病歴等の問診表の中に家族のガン歴欄がある。これは、遺伝の有無を意味すること。今まではさほど気にも留めなかったが、ここ数年で一気に大切な情報の位置付けとなった。私の父方の祖父母は分からないが、母方の祖父がすい臓ガン、祖母が大腸ガン、父は前立腺ガン、母は肝ガン。あっちもこっちも癌だらけ。覚悟を決めて、人生を謳歌していこうと思う。

 アラ還の私には覚悟ができても、まだ社会人の波に乗り始めた子どもたちには、ピンとこない話。だからと言って無知でいられるよりは、多少の知識を持たせたい。遺伝レベルの病歴はもちろんだが、それに伴う食の環境の見直し。個々の家庭には、個々の味付けや食べ方がある。それは親から伝えられたものが主流となり、今の体に反映している。今後、子どもたちの頭の隅に食養生(体質、体調に応じて栄養を考えた食事を摂ること)を植え付けていけたらと思う。残念だと思うのが、子どもたちが子どものころに、やっておくべきだったということ。次世代に間に合いますように。

 昨夜、夫が家族LINEで手術の予定を流しました。離れて暮らす子どもたちから、わりと早く『頑張って』との返信が届き、パワーをもらったようです。一昨日の父の日には音沙汰無しでしたけど。


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