第21話 みんなのうどん

文字数 808文字

 大したことなどやっていない日でも、晩ごはんの支度をしたくないときって、ありませんか? 昨日の私がそうでした。私の場合、朝と昼はセルフサービスにしているので、夫のために料理を作るのは1日1回ですが、それでもやりたくない日があります。毎回作っている人からの冷たい視線、真摯(しんし)に受け止めます。

 というわけで、我が家の晩ごはんは海外にも支店のある、うどん屋さんのテイクアウトにした。理由は2つ。①6月末日までの商品券がある。②店が車で10分ほどの場所にある。さほど食欲の湧かない時間に、夫の了承を得て決めた。料理を作らないと決まると、気分がスゴく楽になった。裏を返せば、自分の自覚以上に負担になっていたということだ。料理に限らず、潜在的なストレスは、意味もなく、やりたくないときに出て来るものなのかもしれない。

 料理の支度から解放されて、スッキリした私が次に考えたのは、メニューの選択と店の到着時刻。とりあえず、夫に2時間の猶予を与え、食べたい物を決めるよう指示。店は晩ごはんどきの17時から混むと予想されるので、自宅出発を16時に決めた。出発10分前。夫にメニューを聞いたら「同じのでいい」 彼は私の与えた2時間を使わなかった。私の意のままにメニューが決まるのは楽なのだが、なんとなく釈然としないのはなんでだろう。どうでもいいことだが。

 予想どおり、店の駐車場の車は(まば)らだった。でも、なぜか非常に停めにくい。正しくは

の私は、と言うべきか。ベ◯ツや◯MWの割合がやけに高い。私が来ているのは、1杯300円台から食べられる店のはず。『なんで高級外車の方が来られているんですか?』

 大いなるやっかみの視線を放ちながら、私なりの理由を考えてみました。①収入に見合ってはいないが、外車が好き。②値段に関係なく、この店の味が好き。もちろん私は分別のつく大人。

みんな、美味しいうどんが好きなんだよね〜

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