第47話 雨の日のゴルフ

文字数 855文字

 梅雨明け直前の平日、ゴルフのラウンドに行ってきました。夜中の土砂降りが明けた日だったので「これで梅雨明けするかな」 と(たか)(くく)って出掛けてみたものの……

 近頃の雲は、狭く厚くひとつふたつと塊になって、雨の予測がつけやすい。そんな雲を縫いながら、車を走らせ1時間ちょっと。標高700メートルほどの場所にゴルフ場はあった。『山の天気は変わりやすい』は誰もが知ってる。不安を抱えながらのスタート。

 ピンまで見える、パー4の直線コース。雨上がりの鮮やかなフェアウェイは、ドキドキの鼓動までも鎮めてくれる包容力がある。今回は私から。先生のアドバイスを思い出しながら、一度だけ軽く素振り。息を整えて…… パッカーン!上手く先陣を切ることできた。あとの二人にも幸先の良い一打。

 7ホール目のグリーン上から、持ちこたえていた雨雲がとうとう大粒の涙を落とし始めた。ポツポツからザァーっと来るまで数秒。パターを終え、とりあえずカートに逃げ込む。そこから9ホールまでは、傘を携えながら何とか終了。

 前半を終え、ランチ休憩は30分ほど。席に着くと雨は土砂降りに変わった。「こんな雨じゃ、後半できませんよね〜」 と早くも戦線離脱したい私に「雷が鳴らない限り、プレーするものなのよ」 とベテラン同行者。甘くはない。気を取り直して、ランチメニューに目をやると、数種類のカレーが最初のページに載っていた。最近ハマっているバターチキンカレーをチョイス。トッピングされたパクチーが絶妙に合っていて、とても美味しかった。雨でも頑張ろう。単純な私。

 外へ出るころには雨は上がっていた。晴れ女の本領発揮といきたいところだが、今は梅雨でここは山。時折降られながらの後半戦。フェアウェイは、たっぷりの雨を含んでグチョグチョ。泥跳ね避けにと、パンツのみ雨具を穿()いた。大正解。雨具無しの人のパンツが教えてくれた。幸にも雷が鳴ることはなかった。

 今回のラウンドは、ひとつ前へ進めた感じがありました。スコア?そんなものはまだまだ言えませんよ。プロじゃないんだから。
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