第15話 容姿

文字数 987文字

 小林亜星さんがお亡くなりになりましたね。ニュースでは「作曲家の」と紹介されていますが、私は『寺内貫太郎一家』というホームドラマの父親役、俳優としての印象が強いです。当時はまだ40代後半くらいだと推測しますが、今思い出してみても体型のせいなのか貫禄がありました。亡くなるまで、ずっと印象が変わらない人でしたね。

 「私、ポンパドゥール夫人のような体型に憧れてるんだ〜」そう言っていたのはテニス仲間のMさん。???一瞬どんな体型かわからなかったが、彼女曰く、腰周りが少々ふくよかな体型のことらしい。今で言う洋梨体型? 当時の彼女は少しポッチャリ。ところがポンパドゥール夫人を調べてみたら、ウエストがキュンキュンに絞られていた。いずれにせよ、気品あるという意味も込められていたのだろう。彼女の名誉の為に言っておくが、現在はとてもスリムだ。

 ある日、スーパーで高校の同級生にバッタリ会った。すぐに気が付き、声をかけた。目鼻立ちが整った、校内でも美人で有名だった人。月とスッポンの再会。でも、心の広い彼女はちゃんと私を覚えていてくれた。体型も声も当時のままだ。ただ、スゴく違和感。それは「どうしちゃったの?」 と聞きたくなるほどの顔のシワだった。もちろん彼女の名誉の為に言っておくが、キリッとした目鼻立ちは健在だった。

 昨年、学生時代のインカレサークルで先輩だった人が亡くなった。その夫人が私の親しい友人でもあったので、葬儀に参列した。懐かしい顔が数名。女性で参加したのは、私ともう1人。でも、誰だか全くわからない。男性陣は全て分かったのに…… 名前を聞いて、ひとつ年下の後輩だと分かったが、正直なところ当時の面影と違っていたので驚いた。お互いさまか。

 私の外見時系列は、
高校生まではローカル顔の痩せ型。
22歳まではサーファーカット&聖子ちゃんカットで人生最大のおデブ。
23〜26歳は大人顔になりかけたセミロングのやや痩せ型。
26〜35歳がイケイケストレートロングヘアで人生最大ナイスボディ。
35〜45歳がスキンケアも疎かなボブの普通体型。
45〜55歳がシミとシワ対策に取り組み始めたボブ&ショートヘアの標準体型。
55歳〜現在に至る。
*普通体型<標準体型

 月日は残酷だと言う人もいるが、私はそうは思わない。過去の自分を思い出しては、ほくそ笑む。容姿に囚われるだけの年齢はとうに過ぎた。
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