第56話 楽しく暮らしていくには

文字数 897文字

 ここ数日、地上波で放送している韓流ドラマの時代劇を録画予約して見ていました。それを見ながらお昼ゴハンを食べるのが、最近のお楽しみでした。

 さて、今日はどんな話になっていくのかなと、いつものように録画ページをテレビ画面に出した。
「ない」
新聞で確認した。やってる。
「え〜?なんでなんで?」
心で叫んでいたつもりだったが、多少は声が出ていたか。
「またか」
録画されなかったことは一度や二度ではない。さすがに命をかけるほどの熱はないので、試練を受け止めたが、撮れていないのが『最終回』だったことには、日頃の行いに反省すべき点があるのかもと、凹んだ。

 先日、中学時代の同級生宅へお邪魔したときのこと。ご主人のお父さまが高齢になり、同居を始められた。もともとお父さまがお住まいだった場所へ新築された、バリアフリーなお(うち)。羨ましい話だが、知人もいない新しい土地。その上、古い住宅地でのご近所付き合いなどを考えると両手を上げて喜べない。そこで私の出番。友人宅から車で1時間弱ほど離れてはいるが、陣中見舞いを買って出た。

 年賀状のやり取りがほとんどだったので、会うとき少し緊張したが、直ぐにうち解けた。引越し当初は散歩がてらの街ブラで、日々を過ごしていたらしいが、最近は韓流ドラマに時間を費やしていると言った。私みたいに地上波で見るだけの(にわか)ファンとは違い、見方が凄い。1日で10話以上見るツワモノ。友人と同じレベルの人がいて、毎週のように見た作品を郵送で交換し合っているらしい。そう言って街案内してくれたついでに、厚みのある郵便物をポストに入れた。友人にとっては、久しぶりの街ブラ。なるほど、友人の肌は陶器のように白くて綺麗。韓流を地で行っている。

 歳を取ってからの移住は、終の住処が視野に入ります。今の家には愛着がありますが、駅までが少し遠いです。あと何年かすれば、不便になるでしょう。車での移動に頼らない方法を見つけて、この家に住み続けるか、早めに引っ越して街の環境に慣れるか、(おぼろ)げながら考えます。子どもが戻って同居したら話は広がりますが、実家で同居する弟夫婦の現状を見ると、あまり良い選択肢だとは思えません。
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