第36話 汗る

文字数 897文字

 雨の日が涼しいとは限りません。私が住んでいる町の気温は、ここ数日29度を超えています。その上、湿度も高いとくれば、一日中、汗が出て全身ベタベタ……

 そろそろ、エアコンかけようか……
普段私が居るのは、二階のリビング。家の構造上、屋根裏が無く、屋根に当たる陽射しが部屋を直撃する。だから余計に暑い。広さは20畳ほど。在宅時間は長いが、ひとりで使うには、割が悪すぎる。だから、まだ扇風機で(しの)いでいる。ところが、我慢できているつもりが、汗は正直だ。

 どちらかと言えばスポーツウーマンだった私。みんなと同じ動きをしても『額に汗する』などという経験は数えるほどしかなかった。それなのに今は鼻の頭、胸元、背中に汗が流れる。更年期障害なのか、部屋が暑いのか定かではないが、とにかく何とかしなければ。

 思いついたのは、暗くなる前に入る『夕風呂』午後四時ごろ入る。汗まみれを少しでも早く解消だ。ウチは風呂も二階にある。二階にした理由は、窓越しに少し先の森林を見ることができたから。本来は明るいうちに楽しめるのがコンセプトだったはず。イイじゃん、イイじゃん。入る順序も変えてしまった。私→夫。夫に是非を問うことなく決めたが、素直に従ってくれている。ありがとう。

 そんなわけで、今日は午後四時半にドボン!脚を伸ばし、40度の湯船に浸かる。まだ明るいので、近所の子供たちの騒ぐ声が聞こえる。晩ごはんの支度を始めたのか、東隣りの家からトントントンと何かを切るような音も上がってきた。北側にある窓越しの景色は濃い緑色、薄い水色の空。汗を引かせ、忘れさせてくれる。

 風呂上がりは一瞬汗をかいたような感じになるが、部屋着を着るころには気にならなくなる。外も薄暗くなり始め、晩ごはんの支度に取り掛かる。入浴前に下準備をしておいて正解。汗をかくこともなく、短時間で料理を仕上げた。

 明るいうちの風呂は良くても、根本的な解決にはなっていない。エアコンはかけ始めたら、夏が終わるまでかけ続けるのが常だ。熱中症になる前に、そろそろ決断せねばならない。

 コロナ禍においては、おちおち熱を出すわけにはいきません。今は特に、健康>電気代です。

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