第12話 金の指輪

文字数 828文字

 今、名古屋の繁華街・栄で名古屋城の屋根に付いている金の鯱鉾(しゃちほこ)を間近に見ることができます(入場料¥500) それだけではなく、直に触ることもできます。屋根に上がる前に是非。

 (きん)の価格が高騰してると言われて久しい。私には縁のないものと思っているが、それでもネックレスや指輪のひとつくらいはある。持ってはいるが、どれも手放せない物だ。中でも母から貰ったネックレス。デザインは古いが純金だ。父から問わず語りに聞くと、勤めていた会社の株の配当で買った物らしい。どれだけ株を持っていたかは、無粋な話。短期間だったが、配当は母のアクセサリーへと変わったそうな。夫に聞かせてやりたいが、意味のないこと。

 もう1つ。私の婚約指輪。ダイヤモンド付。CMのイメージでは、プロポーズする場面で指輪をどうぞ的な流れだが、ウチは違った。結婚前、まだ私想いだった夫が、好みのデザインで指輪を作ってくれると言った。だから、とりあえず「ダイヤモンド選んで」 と。予算内のダイヤモンドをいくつか見せられた。並べて見ると大きさ、色の違いは微妙ではあるがわかる。だが、今後の人の為に言っておく。こういう物は時間をかけるほど、決まらない。インスピレーションを大切に。

 半ば、投げやりな気持ちでダイヤモンドを決め、デザインを振られた私。もちろん1から始めるわけではなく、雑誌等で目にするデザインを真似てもらうということだ。当時、結婚したハリウッド女優の物を拝借。難しそうなデザインだったが、私の満足いく指輪となった。ただ、はめ込まれているダイヤモンドが私の選んだソレだったかと言われれば、信用をおいて他にはない(疑り深い性格)

 数年前、とうとう婚約指輪が入らなくなった。(きん)なので伸ばすこともできそうだが、デザインも微妙に変わりそうだ。でも、気に入っている。しばらく考え、少し緩いが左手小指に収めることにした。結婚当初は少し目立つと思った指輪も、今では小指ですら小さく見える。いろいろ、成長したな、私。
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