第9話 悪戦苦闘

文字数 813文字

 昨日は焦りました。もう少しで、数時間かけた原稿が消えるところだったから。このサイトを利用して文を書いておられる皆さまなら、1度くらいは経験されたことがあるのではないでしょうか。

 私は自他ともに認めるアナログ

の人間。今でこそiPadやスマホを使って多少の操作ができるようになったものの、若い人達からすれば初歩、必要最低限のレベルだ。だからPCなどのデジタル品には、常に苦手の先入観が付きまとう。昨年まで子どもが同居していたので、帰宅を待っては「お疲れのところ、スミマセン」との低姿勢で操作の指導を受けていた。が、しかし。その無料講習も昨年の11月であえなく終了、今日(こんにち)に至る。

 人は切羽詰まると『とりあえず、やってみる』というのが自然な流れ。石器時代の古来より、遺伝子として受け継がれてきたからこそ便利な世の中に繋がったはずだ。そこで私も、わからないなりにポチポチと操作。新しい操作をするときの緊張感はハンパない。反面、出来たときの高揚感は、えも言われぬものだ。

 この半年余り、独学(大袈裟な!) で新しい操作を覚えてきたわけだが(まだまだですよ。冒頭の通り) ここにきて、頭を悩ますのが、使いこなしてきた操作でのアクシデント。出来るはずなのに、何でなの? である。今度は蓄えた知識が邪魔をして次に進めなくなる。調子にのるなと言うことか。『便利なんだか、不便なんだか』 え〜っ? デジタルさんよ〜。

 時代の波に乗る。流行りの服を着ていなくても全然平気などと呑気に構えるレベルのものではない。金銭では賄えない生活環境の到来。生活の質の変化。コロナの蔓延で加速度的に進んでいるデジタル化。平均寿命を考えたら、私はまだ20年以上はこの世界で生活しなければならない。「出来ないから、やめておく」はもはや通用しない。

 先日、子どもが自宅に置いてある物を取りにきた。すかさず私、

「あのさー、ここ教えて」

我が子の帰省がますます待ち遠しい。
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