第56話 函館の旅・DAY1-②

文字数 838文字

 千歳空港に着いた私たちが最初に向かった先は……

 空港内にあるラーメン道場へ。ここで朝ラーをしてから札幌入りしようと決めていた。いくつかの店から選べばいいと思っていたが……到着時刻が早すぎて(午前9時)開店している店が3軒ほど。ふたりとも『弟子屈(てしかが)』さんの辛味噌ラーメンを。小だったがお腹いっぱいになった。3泊4日食べ続けられるだろうかと少し不安になる。

 札幌駅に着いたら今にも雨が降りそうな天気。今日の宿は『京王プラザホテル札幌』チェックインには早かったが、荷物を預けて街ブラと決め込むつもりだったが……その前にイライラ発生。

 ホテルのフロントでは、私が手続きをした。名前を見て

「ariayu様、本日はご結婚記念日おめでとうございます」

 フロントマネージャーらしき人が挨拶してくれた。実は2日ほど前、ホテルに予約確認のメールを入れた際、添書きに真珠婚記念の旅行と入れた。アラ還女子になると臆面も無く、こんな技をぶち込める。闇雲じゃない。本当のことだから。

『うわーやっぱりシティホテルは違うわ』
そんな気持ちに浸りながら、フロントを離れようとした時、夫が

「あの〜、旅行支援クーポンはここでいただけるのでしょうか?」

とねじ込んできた。マネジャーは???

 それもそのはず。このホテルは予約が早すぎて旅行支援の対象に出来なかった。その説明は数日前、夫に話したのに。全然理解していなかった。私の気分は一瞬にしてぶち壊された。全部私に任せた訳じゃないの?細かいことを言って悪いけど、今回の旅行費用は私の口座から支払われているから、仕切りは私がしたいんだけど。そう心の中で叫んだ。恥ずかしさも手伝って、早々にフロントから離れた。その後、もう一度夫に説明。ボケてる訳じゃない。ただ、私の言うことを、いつも疑って聞く夫によくあるミスだった。

 気を取り直して街中へ。外は傘を迷うほどの小雨が降っていた。私たちは観光地には行かず、札幌駅の隣駅にあるイオンへと向かった。

 やってくれましたよ、初日から。

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