第31話 清濁

文字数 867文字

 幸せの裏側を見た気がしました。

 昨日ご近所のママ友Tさんが自宅に招いてくれた。第7波の今、こんなにコロナ感染者が増えていては気軽に外食しようなんて言えない。それでも久しぶりだし、会って話したかったので、家にしましょということになった。子どもたちが小学生のころからだから20数年のお付き合い。

 3人いる子どもたちは文武両道で、出来のいい姉妹弟で知られている。だからウチの子たちと仲良くしてくれるのは勿体ないと思ったりもする。
その母であるTさんも文武両道(だと思う) トライアスロンに参加したり、新聞の読者欄に投稿したり。この親にしてこの子有り。そう思うと何だかウチの子が不憫に思えてくる。でも未だに私が付き合えるのは、そういうことを鼻にかけない人だから。

 大人だけしか住んでいない家の中は整然として、愛犬がいるにも関わらず、掃除が行き届いていた。通されたリビングのテーブルには、ランチョンマットに紙ナプキンで包まれたカトラリーがセッティングされていた。

私と話しながら、ササッと料理に火を通しテーブルへ。メニューはアボカドメインのグリーンサラダ、トマトベースのシーフードパスタ、手作りの胡桃パン、デザートにオレンジベースのフルーツゼリー。お店さながらの料理は、もちろん美味しく、さらに追いデザートとコーヒーも出てきた。

 取っ掛かりの話題は、離れて暮らす子どもたちの近況。写メなど見せ合い一通り話した後は、Tさんの生い立ちや親子関係に発展した。なかなか手強いお母さんの元で育たれ、そのせいか精神的に早く自立、そして今は不仲だと言った。また母親を反面教師にして子育てしたとも。いくら私が付き合いが長いとはいえ、聞いても良いのかとも思えるくらいのエピソードを告白された。優秀な子どもを育てた裏話。幸せの土台はいろいろな事からできている。

 では、私の話は……投稿しているようなシビアな話は……時間が無くて話せなかった。結構私は聞き役になることが多い。だから私の告白は投稿で成り立っているのだ。

 みんな苦労してるのね。私も頑張ろうって思いました。
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