第19話 20年ぶりの再会②
文字数 927文字
待ち遠しいと思った月日は意外と早く流れました。
奈良旅の当日。同行する彼女Tさんをピックアップするため朝6時20分に家を出た。待ち合わせの場所までは高速を使えば早いのだが、それは夫の選択肢にない。運転を任せている以上、文句も言えないし、まだまだフランクに愚痴る間柄ではない。まあ、乗っていりゃ着くんだから有難いことだ。1時間ほど走り、予想以上の速さで待ち合わせ場所に到着。連休初日の早朝の一般道は、意外にも空いていた。
『みんなコロナの第7波で自粛してるのかなぁ』
ほどなくTさんと合流。当時に比べ少しぽっちゃり。Tさんは私よりも3歳年上。でも私よりも後に入社したので、言葉遣いはタメ。むしろ私を立ててくれる。会話は20年のブランクがあったとは思えないほど、歯にきぬ着せぬ物言いの連続。だから私の誘いも快く?受けてくれたのだ。
奈良の同僚の家までは2時間強ほどかかる。車中は直ぐに当時の話で盛り上がった。もちろん夫が知る由も無い私の過去。それをTさんは面白可笑しく、どんどん暴いていく。でもぜんぜん嫌じゃない。それはTさんの匙 加減も入っていたから。夫も負けじと会話に参加してくる。私との会話は苦手なくせに、何も知らない私の友人にはすこぶる評判がいい。と言うか女子との会話が好きなのだ。
ときおり小雨の降る中、クネクネした細道を進みながら奈良の同僚Fさんとの待ち合わせ場所に到着。そこは村の中で、そこそこ小洒落たランチが出来る道の駅のレストラン。Fさんはスッと現れた。スタイルと声は昔のまま。少し日焼けしたオジサンになっていた。
「髪の毛切ったんだ〜」
最初の一言がコレ。彼の目に私はどう映ったのか。お昼ご飯を済ませ、いよいよFさんの移住先へ。そこはポツンと一軒家のような場所ではなく、川のほとりで、そこそこ家が並ぶ中にあった。築100年ほどの古民家を買取り、リフォームして住んでいる。敷地の入口は鬱蒼としていた。背丈ほどの草むら?の上の方に直径30㎝ほどの蜘蛛の巣が。
「あ、気をつけて入って来てね。蜘蛛さんがせっかく作った家を壊さないように」
そこ?一瞬にしてFさんのライフスタイルが覗けたような気がした。
トトロに出てくるサツキとメイの家のような感じでした。
奈良旅の当日。同行する彼女Tさんをピックアップするため朝6時20分に家を出た。待ち合わせの場所までは高速を使えば早いのだが、それは夫の選択肢にない。運転を任せている以上、文句も言えないし、まだまだフランクに愚痴る間柄ではない。まあ、乗っていりゃ着くんだから有難いことだ。1時間ほど走り、予想以上の速さで待ち合わせ場所に到着。連休初日の早朝の一般道は、意外にも空いていた。
『みんなコロナの第7波で自粛してるのかなぁ』
ほどなくTさんと合流。当時に比べ少しぽっちゃり。Tさんは私よりも3歳年上。でも私よりも後に入社したので、言葉遣いはタメ。むしろ私を立ててくれる。会話は20年のブランクがあったとは思えないほど、歯にきぬ着せぬ物言いの連続。だから私の誘いも快く?受けてくれたのだ。
奈良の同僚の家までは2時間強ほどかかる。車中は直ぐに当時の話で盛り上がった。もちろん夫が知る由も無い私の過去。それをTさんは面白可笑しく、どんどん暴いていく。でもぜんぜん嫌じゃない。それはTさんの
ときおり小雨の降る中、クネクネした細道を進みながら奈良の同僚Fさんとの待ち合わせ場所に到着。そこは村の中で、そこそこ小洒落たランチが出来る道の駅のレストラン。Fさんはスッと現れた。スタイルと声は昔のまま。少し日焼けしたオジサンになっていた。
「髪の毛切ったんだ〜」
最初の一言がコレ。彼の目に私はどう映ったのか。お昼ご飯を済ませ、いよいよFさんの移住先へ。そこはポツンと一軒家のような場所ではなく、川のほとりで、そこそこ家が並ぶ中にあった。築100年ほどの古民家を買取り、リフォームして住んでいる。敷地の入口は鬱蒼としていた。背丈ほどの草むら?の上の方に直径30㎝ほどの蜘蛛の巣が。
「あ、気をつけて入って来てね。蜘蛛さんがせっかく作った家を壊さないように」
そこ?一瞬にしてFさんのライフスタイルが覗けたような気がした。
トトロに出てくるサツキとメイの家のような感じでした。