第6話 バタバタの日でも

文字数 894文字

 バタバタ、でも充実した日になりました。

 私は不定期にハーバリウムを教えている。不定期なのは、生徒さんの都合がいい日に合わせているから。自宅のリビングを使っているので、来客がない限り休祝日もOKにしている。それでも時間だけは10〜12時にお願いしていた。ところが昨日のレッスンは、生徒さんと私の都合のいい日がつかず、初めて13時〜で受けることにした。

 午前中は太極拳のレッスンがある日。いつもなら太極拳を休んでしまうところだが、先週も両親の介護で行けなかったので、どうしても行きたかった。近ごろ習い始めの苦痛から解放され、ジワジワと楽しくなってきたからだ。今は簡化24式(太極拳の型)の半分ほどまで習っている。

 昨日は太極拳の先生のノリが良く、少し時間が延長した。ただでさえ時間のない日に限って。長く生きている間に遅延は何度も経験しているので、慌てることはなかった。そんなこともあろうかと、ハーバリウムの準備は昨夜のうちにセットしておいた。迷惑?したのは朝からダイニングテーブルを使えなかった夫くらいか。何も言わなかったが。

 とりあえず生徒さんが来る前に帰宅出来たが、昼ごはんは食べられなかった。生徒さんは、よく来る人で月に1回、今回の人は半年ぶりくらい。アラフィフからアラ還の人が多いので、気の合う話をしながらのレッスン。私のレッスンの基本は『楽しく』 だが作品の出来にも満足して欲しいから、ときにはダメ出ししてアドバイスやヘルプをする感じ。

 生徒さんの1人は、3人のお嬢さんを持つお母さん。話の端々に愛情を感じた。

「私は若いときに両親を亡くしたから、帰る実家が無かった。だから娘たちが嫁いだあとも、いつでも帰ってこられるように長生きしたい。絶対に健康でいたいの」

 結婚後は姑に相当いじめられ、実家が無いばかりに随分苦労されたようだ。それでもその姑が亡くなった今、墓参りは欠かさないとか。拒否する夫を引きずってでも節目毎に行くそうだ。出来た人。愛情ってこういうこと?ハーバリウム教室は私にとっても教えてもらう場になっている。

 私は両親の介護に愛情を注げているかなぁとしみじみ思いました。
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