第21話 晴れて良かった④

文字数 863文字

 奈良旅の後半です。

 Fさんとの再会を果たし、シングルを予約したホテルへ真っしぐら。チェックインしたのは晩御飯どき。ホテルのレストランは少々お高いので、ここはセコく外食。事前にいくつか候補を調べていたので、Tさんに選んでもらった。そこは魚介豚骨スープのラーメン屋『あすの雫』

「1人では入れない店だから」

 そこそこ評価が高く、晩御飯どきでもあったから待ち時間を覚悟したが……先客は1組、私たちと入れ違いくらいに店を出て行った。10名ほどしか入れない小さな店。人気店だとネットにあったけど……味は間違いなかった。貸し切り状態の店はコロナ禍にはちょうど良かった。ホテルに戻ってからは、Tさんと二次回。夫が居ない会話は、ときどき愚痴も入ったが、概ね仕事当時の暴露話で深夜まで。

 翌日はホテル内のレストランで朝ごはん。会話出来ない食事になるならと、各自好きな時間に食べた。これは正解。ゆっくり出来た。

 2日目は晴れ。最初の観光地『室生寺』に着いたときには、雨の心配などカケラもないほどの快晴。奈良は花で有名な寺が多い。室生寺は石楠花(しゃくなげ)だが、見頃は過ぎていた。それでも連休中なので、そこそこの人出。ただ場所によっては貸し切り状態で観られることもあった。街中の寺社に比べ、ここは来るのに時間のかかる場所。アラ還の私たちに次回は怪しい。来たからには周り尽くそうと、長い石段の先にある奥の院まで足を延ばし堪能した。もちろん都度都度にある御朱印をいただきながら。後から友人に教えてもらったのだが、長い石段を登るのは修行なのだとか。少しは(けが)れが取れたと信じる。

 名物の草餅を食べ終え、長谷寺へ。室生寺からなら寄らなきゃ損だろと思う距離(車で30分ほど)にある。到着が昼どきだったので、またまた事前にチェックしておいた門前通りの店『長谷路』へ。ここは三輪そうめんと柿の葉寿司のセットがある。昼どきだったがタイミング良く1席空いた。隣は若いカップル。聞くとはなしに聞いてしまった。どうやらお見合いのようだ。

 観光以外のことも含めて旅だと思っています(笑)
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