第7話 早朝のお迎え

文字数 865文字

 3ヶ月ぶりに下の子が帰省しました。

 下の子はアラサー独身で、現在都内在住。我が家は新幹線を使う距離にある。それでも下の子が新幹線で帰ったことはほとんどない。よく使うのはバス。今回は昨日の深夜にバスタ新宿から出て在来線に乗り、最寄駅に着いたのは午前6時だった。この時期私は5時頃目がさめるので、迎えに行くのは何でもないことだ。

 到着10分前に駅に着いた。通勤には少し早い時間。それでも家族を送る車が何台か来ていた。しばらく人間観察。最初に見た車からは、初老の夫婦がスーツケースを持って降りてきた。歩く後ろ姿が何だか楽しそう。送ってきたのは娘さんなのかお嫁さんなのか。夫婦の姿が見えなくなるまで、車が停まっていた。続いてBの付く外車から降りてきたのは大学生くらいの男性。濃いオレンジ色のスニーカーがひと際目立ち、視線を上半身に移すと小綺麗なプチセレブ感漂うアウター。車も格好も比例していたので納得。送ってきたのは母親か?降ろしたらサーッと走り去った。その後何台も見かけたが、降ろして直ぐ走り去る車の方が圧倒的に多かった。誰も今生の別れだなんて思いながら送っていない。朝は忙しい。どこの家も同じだなと毎日送迎していたころを思い出す。

 しばらくして、駅からバラバラと人が出てきた。この中にいるはず……そう思いながら探しても、我が子は出てこない。人の波が途切れそうになったころ、ようやくお出まし。何でかね〜。上の子も最後の方に出てくることが多い。待っているこちらの身にもなって欲しいと思う。言ったことはないけど。

 深夜バスを使って帰るのが、どれだけしんどいか分かる。それでも下の子は新幹線の何分の1かの料金に魅力を感じているので

「まだ、いける」

と帰京もバスで帰るようだ。私はお断り。身体が許さない。過去に下の子の友人を連れて深夜バスでTDRに行ったことがあったが、足は浮腫むわ、睡魔は襲うわで半日潰した。数時間も座りっぱなしのバスで帰省する我が子をいつもたくましく思っている。

 今回の帰省は2泊3日。楽しく過ごせればいいなと思っています。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み