第38話 厄日

文字数 853文字

『今日は何か変』そう思う日、ありますよね。

 昨日がまさにそうだった。それは明け方から。前日から実家に来ていた。いつもと同じ布団で寝ていたのに、何故か寝心地が悪い。

もしかして、感染したか……

 額に手を当て、熱を確認し、その手を鼻に当て嗅覚を確かめる。私独自の体調判定。どちらもクリア。この日は父の受診日。7時には出なければいけない。少し早かったが夜明け前に起きた。

 ふとスマホを見ると電池があと僅かだったので急いで充電。身支度が終わるころに父が起きてきた。ヨロヨロとした足取りで身支度を始めた。来年は90歳。外では杖が必携で、歩く速さは随分遅い。

 時間が経っても私の気分はスッキリしなかったが、父を車に乗せ時間通りに出発。5分も走らないうちにスマホを忘れたことに気づいた。Uターンする時間は無い。スマホの必要性を考えた。強いて挙げれば、待ち時間の退屈凌ぎ。

いらん、いらん

でも、長い待ち時間をどうしよう。まさか父と喋り続ける……?それは時世が許さない。この日はいつも以上に渋滞に巻き込まれ、スマホのことも頭にあって、運転中はイライラが続いた。

 父の受診は予約通りの時間だったが、会計は、いつもよりも随分長く待たされた。また、かかりつけの薬局に薬が無かったので、一旦実家へ戻り時間を置いて再度外出。結局、自宅の帰路についたのは、ラッシュアワーの少し前だった。

早く帰らないと渋滞に巻き込まれる

珍しく夫からLINEがきた。

『牛乳とアイスクリームを買ってきて』

私も珍しく『はい』と返事せずに

で『了解』と返信した。自宅から車で15分ほど離れたスーパーで買い、車を走らせた。

アイスクリームが溶けないうちにサッサと帰らなくては

 いつもは使わない住宅地の抜け道を使った。一旦停止線で

ブレーキ。その

でパトカーに停められた。一瞬パニック。直ぐに正気を取り戻し手続き。およそ15分ほど。アイスクリームばかりが気になった。¥7,000也。1週間の食費が消えた(泣)

 日ごろの生活態度にお灸を据えられたような1日でした。














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