第61話 函館の旅・DAY3

文字数 858文字

 函館山からの夜景が1番綺麗に見えるのは、真っ暗な空になってからだそうです。

 下山するバス停では長い列が出来ていた。ロープウェイがメンテナンスで動いてなかったので、この有り様。行きはラクラク、帰りはキチキチのバスでホテルに帰った。フロントに客はおらず、ゆったりとチェックイン。

 ラビスタ函館ベイも朝食で有名なホテル。少し奮発して山側の景色を満喫できる部屋にして大正解だった。窓一面にさっき登った函館山が絵のように見える。今まで旅行のホテル選びは、どうせ部屋は寝る時だけだからと、質より価格と地の利を重視していた。だが、今回をもって変えていこうと思う。もう、若くない。部屋の設えがどれだけ大切な癒しかを身をもって学んだ。最上階の温泉も疲れを取るには充分すぎるほど、いいお湯だった。

 3日目の朝も早起きしなければならなかった。朝食会場が開くのは午前6時半。全ての料理を見て、出来るだけ沢山味わいたかったので、時間前に行ったのだが……すでに50人ほど並んでいた。たまたま私の後ろに着いたオジサンは京都から毎年函館のグルメを味わいに来ている猛者。やはり函館は美味しいらしい。期待が膨らむ。

 開場。ゾロゾロと人が流れ、今どきらしく入場前の消毒、ビニール手袋着用、そしてマスクは言うに及ばず。札幌のホテルも凄かったが、こちらは

凄い。見てはいないが、夫の目がどれだけ輝いていたかは優に想像できた。今回は惣菜の量を抑えて取るのはもちろんだが、取捨選択に時間がかかった。片っ端から取って残すのはビュッフェではご法度、礼儀に反する。取った物を完食してこその満腹だ。私は海鮮を中心にした和食を。夫は海鮮有り、肉有り、デザート有りのてんこ盛り。『そんなに食べられるの?』と心で突っ込む。だが残さず食べた。普段の5倍は食べている感じ。流石に満腹が辛そうに見えた。『満足するのはまだ早いぜ。明日の朝はとどめの一食をお見舞いしてやる!』不敵な笑いが込み上げてきた。

 私、いじめてる?そんなことないわ。とっても楽しく旅行できてるんですもの(笑)


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