第18話 旅は道連れ①

文字数 896文字

 連休を使って、奈良に行ってきました。

 ひと月ほど前、奈良の田舎に転居した友人に連絡をした。友人と言っても正しくは元同僚。同じ時期に働いた3歳年上の独身男性。もう20年ほど会っていない。でも律儀にも年賀状のやり取りをしていたので繋がっていた。彼は生まれも育ちも都会っ子。理由も言わずに10年前、奈良の村に移住した。好奇心旺盛の私がスルー出来る案件ではない。すぐにでも現地に行ってアレコレ聞きたかったが、そうもいかずズルズルと10年が過ぎた。

 ここで誤解を解いておきたい。今も繋がっている同僚は彼だけではなく、他に何人かいる中のひとりで、夫も何度か同僚たちと会っており、(やま)しさゼロの間柄。だから奈良行きを考える前に夫にプレゼンしている。最近の夫は私との旅に少し慣れてきたようで、二つ返事だった。そう言う私も、冷戦状態で出掛ける時のような違和感は少なくなってきた。今がチャンス!

 とは言え、私たち夫婦だけで行くには何か違う気がした。彼に息をつかせる間が必要だと思った。そこで、またまた彼同様、久しぶりに会う女性の同僚を誘ってみた。独身の彼女は今は個人事業主なので融通が利き、こちらも二つ返事。そんな状況の中で1泊2日の奈良の旅は決まった。

「プランは任せる。決まったら言って」

と夫に言われ、誘った彼女のことも考慮しつつ奈良の情報を集めた。出来上がったプランは先ず彼女に。

『んま〜、奈良だけじゃなく、三重まで網羅した欲張りプラン‼︎』

と大絶賛(笑) その後、夫へ。夫は紙に書いたスケジュールを見もせず

「分かった。そこに置いといて」

 何が分かったんだ?以前の私なら、ここでむかっ腹の1つや2つがあるところだが、私も変わった(自分で言うほどのことでもないが) まあいい。『運転手は君だ、お客は僕だ』(少し変えたが、このフレーズに覚えのある人はアラ還以上)

ホテルをポチろうとする前に夫が来た。

「部屋はシングルにして」

 何?同行の彼女に対して恥ずかしい?まさか?いい歳こいた夫婦なのに?疑問は湧いたが敢えて聞かなかった。その答えは旅の途中で聞くことになる。

 旅の様子は次回から。すみませんね、前置きが長くて。





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