第45話 懐メロ

文字数 874文字

 最近のテレビ東京は、ひところのフジテレビを彷彿とさせます。

 最後まで見てしまった。ズルズルと3時間もテレビを。最近はYouTubeばかり見ていた私だが、今日の番組は目を離せなかった。こんな気持ちで見ていたのか父も母も。見ていたのは『懐メロ』とうとう、私が知っている曲のほとんどが懐メロと化した。

 私が小学生くらいのころ、私の知らない歌謡曲の長時間番組があった。普段は子ども優先で見ていたテレビも、そのときばかりは母にお願いされチャンネルを譲った記憶がある。小学生のころには既にカラーテレビがあったが、その大きく仰々しい姿は部屋の内装に合わない高級家具のようだった。以前の投稿でも書いたが、父は新しいものが好き。カラーテレビは、当時人気のあったブランド物。後に発火騒ぎがあったテレビでもあったが。

懐メロ=爺ちゃん婆ちゃん

のイメージだったが、先日見た番組はタイトルに『3秒でわかる名曲』とあった。コンセプトは有名な曲だが、内容は懐メロそのもの。番組終盤に『嵐』が出てきたときは、軽いショックがあった。子どもたちの幼いころのアイドルまでもが既に仲間入り……今、子どもたちはどんな音楽を聴いているのだろう。

 面白かったのは、全盛時代の映像と現在の本人が歌うコラボ場面。ほぼ、テレビではお目にかかれないお久しぶりな様子は興味深かった。みなさん、お年を召された。それでもテレビに出るという心意気に拍手。数ある映像の中には、事件を起こした人、亡くなった人なども出ていた。亡くなった人の映像を改めて見ることが出来たのも良かったと思う。最後の曲は『マツケンサンバⅡ』ギラギラの衣装に、目張りの流し目で指差す松平健。選曲最高!

 はた、と気付いた。私は懐メロ番組を好んで見ていたことを。母が見たがった気持ちに追いついた自分がいることを。そして、自分が年を取ったということを。

 懐メロはついついメロディに気を取られがちですが、今回、字幕の歌詞もじっくりと見ました。さすがです。プロの作詞家の歌詞は味わい深い。

『愛の水中花』は五木寛之さんの作詞なんですよ。ご存知でしたか?
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