第20話 スキンケアはお早目に

文字数 942文字

 私のエッセイを読んでくださるあなたはおいくつ?タグにアラ還と入れているから、その周辺の人はいらっしゃると信じているけど、今日の話はもう少し下の人にも読んでもらいたいな……

 朝のラジオで、東大の研究チームが『老化を病気として捉え、治療することができる』というニュースを聴いた。不老不死を想像しがちだが、人間の寿命が120歳ということは変わらず、別ものの話。

 私はアラフォー辺りまで、自分の顔はこのまま老けていかないんじゃないかと思うほど変化が無かった。社宅のときに同世代の隣人が『たるみを引き上げるパック』を教えてくれたときも、面白がって試してはみたが、必要だと思わなかった。

 子どもが生まれた直後、お祝いに来てくれた友人が

「ゆでたまごみたいにツルツルだね」

 と言って素顔を褒めてくれた言葉が今でも忘れられない。余談だが、出産すると赤ちゃんと一緒に体内の毒も出されると聞いたことがある。このときにスキンケアを意識していたらどうなっていただろう。出産を機に私のスキンケアは疎かになる。当時、何を使っていたかなど全く覚えておらず、日焼け止めも付けずに、近所の公園に出て、子どもたちを遊ばせていた。自分は何もしなくても老けないと思っていた。

 一度だけ素顔に異常を感じたときがある。それは夫とことごとく衝突し、涙に明け暮れた日々のこと。顔全体が浮腫(むく)んで、酷い乾燥肌になり、人相が変わるくらいになった。このとき初めてスキンケア用品に助けを求めた。30代半ばのこと。化粧品にお金をかけられなかったときだったが、友人が勧めてくれた高価な美容液を買って心と肌を慰めた。それでもアラフォー辺りまではエイジングケアを意識したことはなかった。

 その後50代に入ったばかりのころに大手術。病の影響と加齢でシミやシワが一気にやってきた。このころからスキンケアに対して前向きになる。私のスキンケアへの開眼は、50代から。若さを取り戻すんじゃなく、現状維持。それなりの成果は出ていると思う。ただ、あと10年早ければ、もっと違う私に会えただろうと少し悔やまれるが。

 シニアになる前のみなさま。新陳代謝が早いうちにスキンケアを気にしてください。自分がイケてる時代の顔を維持していけるのはメイクではなく、スキンケアです。
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