第62話 巣ごもりの日に

文字数 927文字

 今日は快晴でしたが、巣篭もりしました。

 今年に入って自分以外の用事が増え、家でゆっくり出来たのは久しぶり。こんな日は、絶対外には出られないような格好をしている。パジャマこそ着てないが、コーディネート無視の暖か重視な服装だ。まあ、どうでもいいことだが、夫もこう言う日に限って篭る。何故分かるかは、やはり服装。パジャマを脱ごうとしない。この状態は会話が無くても今日は篭ると言う合図。パジャマは夕方、風呂に入るまで着倒す。

 夫と私はリビングに居た。夫はコタツ。私はダイニングテーブル。それぞれ思い思いの作業。もちろん会話は、起きたときの私からかけたひと言のみ。

「おはよう」

「おはよう」

 お互い、相手の作業に無関心。黙々とやり続けた。こんなとき暗黙のルールが発動する。それは、どちらかが音声を聞くときはイアホンを付けること。最初は私がやっていた。YouTubeを見ていたときに、夫がテレビをつけた。音が交差する。夫は御構い無しにテレビを見ていたが、私は素早くイアホンを付けて音を消した。何度かやっていたら、夫も私がリビングにいるときはイアホンを付けるようになった。でも2人してイアホンを付けることはない。夫のイアホンを見たら私はスピーカーで聴く。

 他にも頼んだり、話し合いをしなくても、自然に決められたことがある。
 私は宅配やスーパーでの買物などで持ち帰った段ボール箱を潰さずにウッドデッキの隅へ仮置きしていた。すると夫がいつの間にか潰して積み上げている。本音を言うとビニール紐で縛ってくれていると更にいいのだけど。そこまでは要求しない。別に私がやればいい話だと思う気持ちの方が先に立つ。まだある。夕食後の食器洗い。ほぼ毎日、夫は

洗う。仮に私の物が1個だけ流しに混ざっていても、私の物は洗わない。

「1個ぐらいついでに洗ってくれてもいいじゃん」

 そう言えばいいとお思いだろうが、それを言っちゃあ、おしまいよ。それは現代版禅問答夫婦のルール違反だ。相手にさり気なくやらせる。その醍醐味を味わっている。

 などとカッコ良く締めましたが、話して否定されるのが嫌なだけなんですよ、お互い。

 明日から2月。また新しいタイトルで書いていきます。宜しくお願いします。
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