第14話 年賀状

文字数 884文字

 12月15日から年賀状の受付が始まります。明日からですよ!(あお)るつもりはありませんが、元日に届けようと思ったら25日までに投函した方がいいようです。

 年賀状を書くようになったのは小学2〜3年生くらいのころから。最初はたぶん片手にも満たない枚数だったと思う。それが歳を重ね社会人になり、ピーク時は80枚ほど書いていた。まだパソコンのメールが無かった時代の話だ。そして今年は50枚印刷したが、とりあえず40人ほどに出す。残りはいただいてから返送する分。

 子どもたちが小学生のころまで、家族写真を載せた。やがて各々が個人名で出すように。だから前述の40枚は私の名前のみで出している。夫は去年、年賀状終いをした。今までで1番印象に残った年賀状は、当時幼稚園だった上の子が描いたウサギの絵を印刷した年のこと。親バカだが、とても可愛い出来だったので、出すのを待ち侘びたのだが……12月に入り夫の祖母が他界した。喪中ハガキを出すには既に遅く、身内のあいだでは喪中なのだからと、子どもの傑作はお蔵入りに。いろいろな意味で悲しかった。

 家族でハワイに行ったときの写真を載せた年も思い出深い。ダイヤモンドヘッドの頂上付近で居合わせた旅行者に撮ってもらったのだが、その構図が抜群で、下山したときにプロのカメラマンだと知り驚いた、納得の1枚。その後上の子が構図を真似て写したら、友だちから喜ばれたと言っていた。ひところ、家族写真は送られて迷惑な人もいるという風潮があったが、子どもの写真だけを送ってこられたときは私も『知りたいのは、あなたなのに』という気持ちになったのは確かだ。

 私のこだわりは、宛名は墨文字。書道の筆といきたいところだが筆ペン。年に一度のお習字デーと思って書く。そして裏は余白に近況報告をビッシリと。去年、思い切ってLINEでやり取りできる人たちに年賀状終いをした。仲間内では私が先陣を切った形だったが、皆喜んでくれたように感じた。今年書く相手は、親戚とLINEで繋がらない人たち。心を込めて書こうと思う。

 印刷だけの年賀状を貰って、寂しい気持ちになるのは私だけでしょうか。
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