第56話 センス

文字数 863文字

 久しぶりに鼻歌してしまう曲ができました。

♫ 何処にいたの 探してたよ 連れてって 連れてって〜♪

 言わずと知れた、藤井風の『きらり』のワンフレーズ。アラ還の私でも頭の中でリフレインするほど、この部分は好きだ。私の感性は、一般ピーポー。同じような人もいるのでは?テレビCMで見たときも映像より曲に惹かれたが、コレが今売れに売れまくっている彼の曲だとは知らなかった。

 ここ数年、早口言葉のようなラップの曲が出てきて、私の時代は終わったと悟った。そんな中、現れたのが藤井くんだ。スタイルも顔もイイ。ウケないはずがない。でも、彼の場合はそれらを必要としないほど歌詞や曲に魅力を感じる。

 実はこんなに注目される前に、友人から一度聴いてみてと教えられたことがあった。数曲聴いてみたが、そのときは全く響かなかった。どの曲を聴いたかも覚えていない。だが、存在を認識してから、いろいろな曲を聴いたらとガンガン入ってきた。歌詞も曲も。私の中で同様なタイプに位置する、米津玄師のときもそうだった。私には金の卵を探す能力は無いと改めて思う。

(かぜ)』と言う名前。調べたら本名だった。兄弟も『空・海・陸』でコチラは一度は耳にしたことのある名前だが、私の中で『風』は初めて。ウチの子たちと同世代の藤井兄弟。おそらく両親も私と同じくらいだろうと思う。名付けのチョイスで感性が光る。一般ピーポーの私には、選択肢に無かった言葉だ。私は風くんはもちろん、両親にも興味が湧いた。

 最近の子どもの名前は、まともに読めない。あて字にも程があるものもあるが、それなりの連想ができる名前は感性豊かな親なのかも。そんな子の名前を見ると成長が楽しみな予感がしない?『紫』と書いて

と読む友人がいる。完全なるあて字。誰も読めないが、すぐに覚えられていた。絵を描くのが上手かった。そして字も。感性豊かな人だった。今ごろは自分の名前を愛おしく思っているに違いない。

 ウチの子たちも、思いを込めて名付けました。ただ、感性が……と言われたら。何せ私たち夫婦は一般ピーポーなんで(笑)
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