第26話 胸のうち

文字数 850文字

 12月になっても暖かい日がありましたが、クリスマスを迎えた途端冬らしくなってきましたね。あなたの住む町も寒さを感じていますか?

 最近、毎日のように買物へ行っている。ほとんど車の移動なので、厚手の上着を着る機会は少ない。だが、気温は確実に下がっているからインナーを工夫し、その上に着る物もウール素材、もしくはウール擬きに。そんなわけで、この冬初めてニットのワンピースを着た。新しいものではなく、去年も着ていた物。余談だが、昔は新しい物を『おニュー(new)』と言っていた。もはや死語だが、平成以降の人は知ってる?

 話を戻して。ニットのワンピースを着て、洗面所に鏡の前に立った。なんかおかしい。腹が出ているのは認識済み。そうじゃない。もう少し上。胸の位置が変。首からバストポイントが長すぎる。まるで吉本新喜劇で出ていた桑原和子さんの胸みたいだ(ご存知ない人は、要検索)私は垂れるほど胸はないと思っていたのに……

 そう言えば、綺麗な胸の位置は、首の下とバストポイントを結んで正方形に近いほど良いとか。私のは明らかすぎる二等辺三角形。コレは、らくらくブラ付きインナーを着ているせいか?ふと、テレビCMのフレーズが頭を(よぎ)る。

『寄せて上げる』

 今まで言葉は知っていたが、私には響かなかった。突然、言葉の重みが押し寄せてきた。体のラインは一朝一夕で変わるものではない。去年のニットは気にならなかった。ならばここ1年か。次から次へと老いていく。もちろん、そのまま受け入れる。だが、インナーを変えて補正出来るのなら、やってみたいと思った。そう

『寄せて上げる』

 ワンピースを脱ぎ、インナーを脱ぎ、ワイヤー付きのブラを選択。最近使わなくなっていたので、少々キツく感じたが、ワキの肉まで取り込んで

『寄せて上げる』

 違う、確実に違った。顔のスキンケアばかりではいけない。体型が婆さんでは残念だ。私は若作りをするつもりはない。意識を老けさせない努力はすべきだと思っている。

 死語をもう1つ。ボイン。ご存知ない人はググってね〜。
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