第10話 太極拳、その後

文字数 892文字

 最近の太極拳は、どんな様子か。ときどき投稿の中に登場させています。ご興味あったら以前の作品を探してみてくださいねっ!

 コロナ禍になってから始めた太極拳講座。最初からマスク着用ということだ。だから受講生の方々の鼻から下の素顔を知らない。今はマスク顔の方が自然すら思える。去年の6月から始めたので1年半。先生にあれこれ指導され、落ち込むこともあったが、続いている。始めたころよりもポツポツと受講生が増えている。

 今日は、講座の宣材写真を撮りたいと事務局の人に頼まれた。皆さん最初は戸惑われていたが、結局全員『白鶴亮翅(パイホーリャンチ)』のポーズで。先生のみマスクを外しての撮影。

〈先生の顔、わりとホッペが赤いんだ〉

 レッスンの始まりは、身体を温めることから。ハエのように手を擦り、フラダンスのように腰を回し、脚をさする。それから気功の型を1型につき3回ほどやる。途中で細かく説明が入る。中国語訛りの日本語にもずいぶん慣れてきた。先生が言うことは分かるが、身体に教えることは難しい。さらに、自分ができていると思いきや、全くお話にならない動きになっていたり……。気功の型を3つほど終えると、残り時間は20分ほど。実は太極拳の方が時間が短い。

 でも受講生のほとんどは、太極拳よりも気功をやっているときの方がリラックスしているのではないかと思う。少なくとも私はそうだ。太極拳は『簡化24式』をやっている。ただいま8番の型『右攬雀尾(ヨオランチュウエイ)』まで進んでいる。気功と違って踊りのように1番から型を続けなければならない。つまりは全部覚えていないと動けないわけ。

 先生の注意は細かい。全体の動きが出来ていても、さらに腰の位置、腕の挙げ具合、頭の高さなど指摘のしどころが後をたたない。私は一応おおよその動きは覚えて繋がるが、褒められるどころか「踊りじゃない、筋肉使わない!」とご指導の嵐を受けている。最近、このご指導にも慣れ、落ち込むこともなく、最後の型までいってやろうじゃないのと闘志を燃やす。

 寿命が尽きるまで続けたいと思って始めた太極拳です。ちょっとやそっとの厳しさなんてなんのその。私は多少マゾっ気があるのかもしれません。
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