第19話 同時開催

文字数 922文字

 あと2週間ほどで、お正月ですね。なぜ正しい月と書くのか。今更ながらですがググってみたら、秦の始皇帝の降誕月の『政月』の変化形、または『正』の字は「あらためる」という意味からということらしいです。私は後者の方がわかりやすいかな。

 暮れも押し迫ってきた今日このごろ、いかがお過ごし?YouTubeの占い師がこう言ってた。

「今年中にやり終えなければならないなんて考えなくていいんです。ただ月が変わるだけ」

 確かにそうだ。だが自分は納得できても、周りが放っておいてくれない。今朝、ウォーキング途中に近所のスーパーに立ち寄った。そこにはクリスマスのオードブル用の小洒落た食材が所狭しと並べられていた。ここまでは毎年の光景。

 だが、今年は違う。少し離れたコーナーに正月用の食材がカマボコ以外は、ほとんど出揃っている感があった。カマボコは日持ちがしないから当然だと思うが、年越し蕎麦用に使うであろう立派な冷凍海老もお出ましになっている。さらに驚くのは、例年なら正月価格はクリスマス後にお目見えしたはずだが、すでに値札は正月用になり、価格も高めになっていた。少しでも来店する客の密を避けるための工夫なのか。同時開催が吉と出るか、凶と出るか。

 余計な話で恐縮だが、年末の同時開催と言えば、夫の誕生日。12月24日だ。何をか言わんや。もう30年近く祝っている。思い出すのはクリスマスの日のケーキ屋ほど、融通の利かないものはないということ。まだ、子どもたちが小さいころケーキと言えばホールケーキだった。誕生日よりも随分早い日にケーキ屋へ予約に行くと……

「お日にちは?」

「12月24日です」

 そう答えた途端、その日は誕生日ケーキを作れないと言う。オーダー出来る店でも同じだった。それでも誕生日の象徴とも言えるケーキを外すわけにはいかないと思い、いろいろ工夫した。だから12月になると、あのころの面倒くさい気持ちが蘇り、素直にキリストの生誕を祝えない自分がいる(私はクリスチャンではない……笑)

 どんな工夫をしたかと言うと、ロウソクを年の数だけ刺したのが代表的なエピソードですかね。ケーキがロウソクだらけで、火をつけたら山火事のようになりました。いい思い出です(笑笑)

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