第39話 設営のAXIA

文字数 2,759文字

JAM搬入日。新宿駅で合流した我々は「箱根そば」で昼餉を頂いたのである。
ひいい、何ヶ月ぶりの更新なんですか! JAM国際鉄道模型コンベンション終わってから4ヶ月近くたってますよ! ヒドスギル!!
アレヤコレヤで滞ってしもうたのだ。この4ヶ月は激動であったからのう。著者の収入状況もまた変わりつつあるでのう。
著者さん、新しいバイト、研修期間でしたよね。でも。
うむ、もうすぐ稼働にはいることとなった。1月からは稼働状態で頑張ることになる。
良かった…。もう死に場所を探すようなことしなくて良いんですよね。
それが、であるのだ。やはりこれから先に希望はやはり持てぬゆえ、苦しみがつづいておるのだ。それゆえワタクシは説教をしたのである。

そもそも人と違うことを希望しておいて人とおなじ幸せを得ようというのはそもそも間違いであろう、と。そういう修羅の道を選んだのは著者ではないか。それを今更迷うてどうする!

まぁた著者いじめですか! ひどすぎます!
さにあらず! 著者のいまさらの迷いを喝破しておるのだ。
たしかにそうだけど……。
今更迷うてもどうなる。慕ってくれる中高生のヤング鉄の諸君を困惑させるようなことをしてはならぬ。それこそテツ道として厳に戒めることなり。

天下吾一人の覚悟でかれらをよりよき未来に導くのも、立派な仕事であり、そのために人生を捧げるのもまたよいことではないか、と。

たしかにそうですわねえ。
我ら「鉄研でいず!」のみなもそのために生まれたのだ。まさしくそれが使命であるのだ。

それを今更迷ってもどうにもならぬ。

人生の時間は有限であるのだ。

斯様なことを懊悩しながらりんかい線をビッグサイトに向けて進んでいく。

毎度この東京テレポート駅の踊る大捜査線の発車メロディを聞くと、JAMが始まるな、と思うのである!

ほんとそうだよねー。別のイベントでビッグサイト行くときもそういう気になっちゃうよねー。
国際展示場駅である。奇車鉄道さんとミエくんとともにビッグサイトへ急ぐ。

今年は西ホール開催である。勝手がやや違うが今更それはどうにもならぬ。

また体力温存のためにここからタクシーで移動である。

荷物が多いときのタクシーは本当にありがたいですわねえ。私もそういうときはタクシーですわ。
詩音、体弱いからタクシー使うのが懸命だよね。ぼくもバイトの行き帰りはタクチケでタクシー。だっていつも深夜までやってて電車もバスもなくなっちゃうから。
カオルちゃん将棋対局と北急電鉄のバイトで稼いでるからって言っても学校とかにタクシー横付けはやりすぎだと思うー。
教育的に良くなくてヒドイっ。
また話が進まなくなっちゃった。でも総裁たち一行、これでビッグサイトについたんですね。
さふなり。
到着すると先発させていたJITBOX便とブース看板、そして依頼していた貸し出し備品が用意されておった。ここがこれから3日間の展示の主戦場となるのだ。
今年はいつも「自由環状線」でN先生のブースに間借りでお世話になってた例年とちがって「自由環状線(北急電鉄・奇車会社線)」で単独ブース出展ですね。
菜々先輩の依代・追兎電鉄さんやYouTuberのTomy hiratukaさんもサポートしてくれるとはいえ、ワタクシと著者で主導していくのだ。やや寂しさと心細さはあるが、それを超えていくしかないのだ。

しかし!今年はミエくんと奇車会社さんが設営日から参加してくれるのだ。

もう孤立して荷物の山の中で遭難しないで済む! これは大きいぞよ!

去年は遭難しましたもんね。
ひとりじゃないって素敵なことですよね。協力大事。
歴史に名を刻んだのだ。
大げさかもしれませんけど本当にそうですわねえ。感慨深いものですわ。
利用する支給品も準備されておった。電源は5Aで足りるかどうか不安になったのであるが、計算上問題ないはずである。
AC100Vの5Aなら500Wまでいけますもんね。DC12V2Aのハイパワーパワーパック1台で24W。500Wまでいけますから20台使っても足ります。ただ我々の展示はスピーカーやディスプレイ、ノートPCとかも使うのでそれは別途計算しないといけないけれども。
カオルちゃんがいると助かるなあ。ほんとそういうのすっと計算しちゃうもんね。
それでも著者さんがかつて参加したBトレ自動運転レイアウトのときに電気関係やった山岸技研さんにはかないません。彼、ほんとうに***データの中心的なエンジニアさんでしたから。
不思議な縁だよねー。菜々パイセンの追兎電鉄さんもとある通信キャリアでけっこーえらいひとだし。
パイセン言わないでください! でも考えてみればこういう展示をできるのはいろんなものに恵まれた人だけですね! その恵まれた人の中でもさらに恵まれたひと!
さふなり。鉄道模型ファンの甲子園とワタクシがJAMのことを言うのはそれもあるのだ。といっても学生ではないのでさしづめ日本シリーズというべきであろうかの。
学生の甲子園なら鉄道模型コンテストがすでにありますもんね。ヒドイっ。
ツバメちゃんひどくないよー。
設営中は写真や動画を撮る余裕がないのだ。
そうですよね。うちはパーツも多いし電気設備も多いから、どうしても作業が複雑で多くなりますよね。
次回は簡略化できないかな!
うぐぐ、しかしそれで展示内容を妥協してしまっては本末転倒……。
でも何か工夫しないとしんどすぎますよ。
うぐぐ、かといってなかなかそういう解決のアイディアは難しいぞよ。
展示内容もいずれ見直さなくてはなりませんわね。今回のテーブル11枚のプランではもう新たなモジュールを展示する余地がありませんわ。
次回への課題だねー。
とはいってもこの時点では次回がどうなるかわからぬのだ。来年はオリンピックがあってこのビッグサイトは使えぬ。噂ではこの時点で大阪開催という説もあったのだ。
もし大阪なら菜々パイセンは楽ができますよね。
パイセン言わないで! でも私も出展したいな! Bトレ自動運転出展してから出展者側になるのはちょっとごぶさたしてるから!
Tomyさんも独自出展に意欲を示しておった。そういうのは実にヨイのだ。
そして展示設営がほぼ終わったのだ。
高層ビルストラクチャーが左右を固めてますね。なかなか豪華な展示に思えますわ。
また電気配線もTomyさんとミエくんの尽力で斯様に整理した配線にできたのである!
TomyさんのA型の血が発動しましたね。パンチカーペットの端切れをスペーサーにしたことでさらに見栄えも良くできました。
うむ、実にヨイ。まさに赫々たる大戦果である!!


……しかし、このとき、まさかあのようなことがあるとは思うておらなかった。

ええっ、どうしたんですか? まさか、やらかしたんですか! ヒドイっ!
それは次回に続く!!
つづきます! ひいいい!!
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登場人物紹介

長原キラ ながはらキラ:エビコー鉄研の部長。みんなに『総裁』と呼ばれている。「さふである!」など口調がやたら特徴ある子。このエビコー鉄研を創部した張本人。『乙女のたしなみ・テツ道』を掲げて鉄道模型などテツ活動の充実に邁進中。


*総裁のびっくりヒミツ能力(順次公開)

・隠れオッドアイ。安いラノベのキャラだと思われたくないので視力は悪くないのにカラーコンタクトをはめて眼の色を合わせている。しかしこのオッドアイのその眼を見てしまうと自白させてしまう作用がある。あまりにも危険なのでそれを抑制するためにもカラーコンタクト。


 ほかにもまだまだあります。


葛城御波 かつらぎ みなみ:国語洞察力に優れたアイドル並み容姿の子。でも密かに変態。しかしイマジネーション能力は随一。


武者小路詩音 むしゃのこうじ しおん:鉄研内で、模型の腕は随一。高校入学が遅れたので、実は他のみんなより年上。鉄道・運輸工学教授の娘で、超癒し系の超お嬢様。模型テツとしての腕前も一級。

芦塚ツバメ あしづかツバメ:イラストと模型作りに優れた子。イラストの腕前は超高校級。「ヒドイっ」が口癖。

中川華子 なかがわ はなこ:鉄道趣味向けに特化した食堂『サハシ』の娘。写真撮影と料理が得意。バカにされるとすぐ反応してしまう。

鹿川カオル かぬか カオル:ダイヤ鉄。超頭脳明晰で、鉄道会社のダイヤをアルバイトで組んでしまうほどの『ダイヤ鉄』。プロ将棋棋士を目指し奨励会所属。王子と呼ばれるほどハンサムな女の子。電子回路やプログラミングが得意。


田島ミエ たじまみえ:総裁の古くからの友人。凄腕の模型テツ。鉄研のみんなと一緒に大洗などを旅行したものの、関西在住で滅多に会えない。なおかつその実像は不明。

小谷奈々 おたりなな


総裁の友人。凄腕のBトレ自動運転の模型鉄。地下アイドルをしているらしい。ウサミン星がどうとか言っていたが詳細不明。

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