第26話 8月までの軌跡
文字数 3,199文字
実は、あの採用のメールの次の日、こんな物が来ておった。
あれ? 簡易書留? それもロマンスカーのマーク入りの封筒で? なんですか?
ええっ、ロマンスカーモバイルスタンプラリー特別ツアー当選!? ホントですか! ヒドイっ!
これ、フィクションなの? ノンフィクションなの? わかんなくなるわ!!
この動画にしたスタンプラリーがその当該なのだ。3月21日。この連載の始まる数日前に行ってきた。小田急の指定された駅を、途中買い物に寄り道したとはいえ5時間もかけて回った。それでも当選したのである!
全部回れたんですよね。あの時。ただあのあとランキングで所要時間「2分」って人が3人も表示されちゃったんですよね。すぐに取り消されたけど。小田急全線回って2分ってどーゆーこと?って思ったけど。
あのケータイの画面に押すスタンプのギミックも改善が必要でしたね。7箇所のうちスタンプが機能したのは2箇所だけでしたし。
でも総裁も著者さんもクジ運が良い方ではなかったと思います。もしかするとこれは……。
わああ、それで私たちこれまで何度もひどい目にあってますよね!!
これで運気を換えて、夏の展示へ吶喊!! と思うた。
ガルパンの西隊長ですね! 劇場版最終章2話の知波単学園の活躍は感涙モノでした!!
さふなり。なにしろ精神的にもきつかったからの。それに、新宿踏切モジュール、思った以上に厄介であった。
ここまで進んだのであるが、ここからが難儀であった。
なにしろ、Aをやる前にBをやらないと失敗するが、Bをやる前にAをやらないとこれまた失敗しそう、という手順の依存関係が複雑になってしまっておった!
「新宿2号踏切ミニモジュール」といっておったが、すでにちっともミニではない大モジュールであったのだ。
ひいい、たしかにビルが何軒もあるし電気工事もいっぱいあるし、地面工作も広いしでヒドイっ!!
これは本格的な建築の工程管理技術が必要な事例ですね。
さふなり。工程のどれを優先して行うべきかを図にして洗い出す手法が必要なのだ。
「アロ―ダイヤグラム」の出番ですね。それで「クリティカルパス」を求める。初級シスアド試験の問題にも出てきますね。
さふなり。しかしその教育を受けたわけでもなく試験も通っていないワタクシは、我流でその手法を使うしかなかった。
イマイチほんとのアローダイヤグラムみたいに洗練されてませんね。でもなにもないよりはずっと有効だし、強力そうですね。
さふなり。これでワタクシは頭の中を整理していったのである。
そこで判明したのが、信号所の土台作成ができなければどうにも進まないということであった!
信号所って、この土の盛り上がったとこですよね。昔南新宿駅の旧ホームだった遺構らしいところ。
うぬ、ここができぬのにどうやってこの上のケーブルダクトを作る?
それができぬのにどうやって踏切の道路とケーブルダクトの位置関係を確定する?
そしてそれができぬのにどうやって踏切の上のサザンテラスを構築する?
ええっと……ほんとだ、ぜったい信号所が片付かないとほかが作れない!
さふであろう。これがわからないとどうやっても先に進めぬし、無理にやっても工期がドバっとかかって遅延するだけなのだ。
ほんと、そういうとこ情報工学って威力発揮しますよね。
いきなりそんな煽り画像出さないでくださいよ、ヒドイっ!
しかし真面目な話、7月は著者がその採用が決まった仕事の関係で動きづらく成ることが予想された。空費できる時間などないのだ。
そこで総裁がここ作るのに何使ったら良い? と聞いてきたので、タミヤのスチレンボードはどうか、って答えました。
こういう時ミエくんの知恵が助かるのだ。ワタクシに足りないものの一つである。
こうやってラフに形を作って、KATOのケーブルダクトを置いてなんとか見栄えが似てくるように知恵を絞ったのである。
ここが決まればその上の雑居ビルも作れますし、信号所も作り込める。そして道路関係も決まってきて、全体が固まっていきますわねえ。
そこで活躍したのがレイアウト制作のアーティスト「ボシ」さんオススメのこの黒粘土である。百均で購入できるすぐれものなのだ。
わ! 一気に信号所の足元が落ち着いていい感じになった!!
俄然作りこむ気持ちも盛り上がるというものである!!
こういうところをやっていると、模型を作る幸せを感じちゃいますね。密集がどんどん雰囲気を作っていく。その土地の「空気を編んで」いく、っていう感じで。
ここは信号中継所なので信号機がある。ゆえに信号機もつくるのだ。
我々の3Dプリント製信号機の出番ですね、ヒドイっ!
でも手軽に電飾した信号機を作れるよいものですわ。この信号機は片方はダミーで赤のみですわね。
さふなり。しかしもう片方は赤-青あるいは赤ー黄に転換可能なようにLEDを仕込んだのである。
この列車の足元の標識の表記も作り込んだ。しかし書かれている数字がよくわからなかったのでYouTubeの前展望動画を見てコマ送りにして確認したのである。
そういう時、現代って本当に夢のように便利な世界なんだなって思いますね。
さふなり。ここまでの先人の努力と活躍への感謝は忘れてはならぬ。それもまたテツ道であるからの。
サザンテラス下の信号機は破損を避けるためにこうしたのである。でないと脱線した列車が細いポリウレタン線を引きちぎってしまうであろうからの。
でもこのモジュールのダミー分岐器、ここまでそういう脱線事故って起きなかったんですか?
幸いにして殆どなかったのだが、しかし試運転の趣旨としては本番前にもっとトラブルが出きってくれたほうが良かろうと思うのだ。
そして工作を進めていた頃、ミエくんにもいろいろなことが起きていた。
高速バス大手ウィラーエクスプレスの車庫の見学ツアーが当たっちゃったんです。その直前にエアブラシ塗装の匠・幻鉄さんとの山梨遠征オフに行くことにしていたのに。
いえ、ケムリクサイベントにも行くことにしていたので……。
いくら高速バスが使えるからって、すごい行動力になっちゃいますよ、ヒドイっ!
しかも、ウィラーのイベントはこのワタクシのGSEツアーの日と同じ日なのだ。
ゆえ、JAM前ミーティングを実施することとしたのだ。ちなみにGSEツアーはワタクシの中学生のファンであるヤングテツのOくんと行くことにしておった。
幻鉄さんオフで私、エアブラシの講習を幻鉄さんに受けました。すごく勉強になりました。これまで缶スプレーにこだわってたから……。
技法にこだわりを持ちすぎてはならぬとワタクシは何度かいっておったのだが、やはりその道の第一人者に教わることで実に啓蒙効果が大きくてよかったようであるなり。
その後復習でこの貨車をエアブラシウェザリングしました。
とても繊細なウェザリング。これはエアブラシの威力発揮ですわね。
缶スプレーでは無理ですからね。すごくやれることが増えた感じです。
そして7月初旬のツアーとミエくんとワタクシの北急電鉄✕奇車會社直前ミーティングの日を迎えるのだ。
JAMまで1ヶ月半、その日にどこまで進捗してたんですか?
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