第20話 図面作業と見えぬ光明

文字数 2,421文字

うむ、間が開いたが更なる工作開始である。
まぁた間が開きましたね。前回から半月近くあいてますよ。
いろいろやることがあってこっちの更新がなおざりになってしもうた。
やっぱりランキングが伸びないの、やる気に影響してるんじゃないですか?
そんなことはないぞよ。多忙であっただけなのだ。
やる気がちょっと失せたんですよね。
うぬ、斯様なことはないぞ。
失せたんですよね。
著者をしてわが鉄研の軍資金確保のための策を探して忙しかったのである。
失せたんですよね。
時間は有限であり、いくらやる気があっても一日は24時間しかないのだぞ。


むしろ御波くんこそ失意であったのではないのか?

えっ、私! そんなこと……。
鉄研副総裁である御波くんこそ、こういう時に鉄研の指揮を執って連載を継続できたのではないか?
いえ、そんなのむりですよ……総裁の前に総裁なく、総裁の後に総裁なしなんですから……。
さふであるのか。うむ。恐縮なり。
(すごい! 御波ちゃん詰めたのに総裁詰め返したー!)
みんなひそひそ声でいう。
(さすが総裁ですけれど、御波さんも総裁を詰めるなんて勇気あることをなさいましたわね)
(返り討ちされるの目に見えてるじゃん。御波ちゃん無謀すぎるよ……どうしちゃったんだろ)
(私にはとてもできません……総裁を詰めるなんて)
(御波さんもなにか抱えているものがあるのかもしれませんね!)
(御波ちゃん……なんだかよくわかんないけどヒドイっ)
話を元に戻すぞ。これが図面作成風景であるのだ。グーグルマップの航空写真をソフトでトレスして平面配置図を作るのだ。
そしてまず製作予定の踏切の南側にあるJR東京病院の平面図を作る。どういう建物かはわからぬので推測しながらであるのだ。
ロケハンに行ければ一番ですわね。推測だけでは作りようがないですけど実地調査すれば明快ですわ。
さふであるのだな。刑事ドラマでよくある『現場百回』はその通りであるのだ。資料だけではイメージが充実することはないぞ。
平面図を出力して検討である。
あれ、作ってる模型と実際の小田急線は線路の曲率違いますよね。
さふなり。そのままやっては線路の上を覆うサザンテラス部分が破綻する。ホテルのあるサザンタワーの基礎が線路にかかってしまったり、テラスの上の植栽ラインがうまく意匠として合致しなくなるのだ。故、すこしアレンジしたのであるな。


大変ですよね……それ。
いかにも。軽く脳が痛くなってウニになってしまいそうであったぞよ。
それでも見え方を確認する中でどれを再現すると一番良いか、要素の優先順位を決めていくことで解決するのである。
デザインとは意匠を用いて問題を解決することだとすれば、これもまたデザインの領域ですね。
さふなり。それゆえに楽しく、また難しいことであるのだ。
そして側面のパターンを作っていくのだ。
窓も印刷ですね。でも実物は側面にもいろんな起伏があるし、窓を開けないと電飾のしようがないですよね。
うぐう。窓はできれば開けたいのであるが。めちゃめちゃ手間がかかる上にただ開けただけだととんでもなく手間がかかるうえに模型筐体の強度が著しく低下する。そして内装も少し作らないと見栄えが著しく悪くなるのだ。それを勘案して模型の仕様を決めてゆかねばならぬ。
そうですよね……。だんだん鉄道模型をやっているのか怪獣映画みたいな特撮をやっているのかわかんなくなりますね。
さふである。ただワタクシも往年の特撮映画も好きなのだ。『ゴジラ(84年)』や『シン・ゴジラ』もまた好物であるぞよ。
ともに2019年5月のAmazonプライムビデオの見放題作品になってますよね。
ワタクシも見たいのであるが、時間がないぞよ……。
JR病院のマークまで作っててヒドイっ。
ひどくないよー。でもこのJRマークどうやって作ったんですかー?
JRマークはクリエイティブコモンズ・ライセンスでウィキメディアにsvgデータがアップされておった。
あ、もしそうなら、これ縮小してJRマークインレタ作れますね。JRマークインレタ、今すごく品薄で高値で取引されてますもんね。
国鉄からJRへの移行期に模型に貼り付けられるようにJRマークが大手メーカーから販売されましたけれど、ほぼそのあとそれっきりですわね。
うむ。特にJR各社のカラーになっておるJRマークインレタは少ないからのう……どうしても手に入らなければ自作するしかないかもしれぬ。そのときにこのsvgデータはとても有用であるぞよ。
そして作成したパターンを工作用紙に貼り付けて組み立ててみるのだ。これはまだ2次モックアップ。このままでは最終的な模型にはまだ至らぬ。
でもこうやってテクスチャ貼ると一気に感じが出ますね。それにただ貼っただけの平面なのになかなか見栄えしますね。
しかしここで満足してはならぬのだ。
総裁厳しいなあ。
人生で早々何度も作るものではないからこそ、一回一回つまらぬ妥協をせぬよう心掛けねばならぬ。それでも妥協なしには作れはしないのだ。
ほんとそうだよねー。
ほんと、巨塔ですねー。
白くはないがのう。
ドラマネタが古くてひどいっ。
でも『白い巨塔』また新たにテレビドラマ化されてましたね。
さふなり。しかし不朽の名作と言いながらあれのカルテ改ざんシーンが唐沢寿明版では修正液でやったことになっていたのには「うぬ?」と思ったぞよ。岡田准一版はまだ見ておらぬのだが、カルテは電子化されておるだろうか。
そこだけ今にしても、それやったらほかの描写も全部やり直しになるから過去の話で通しちゃうんじゃないでしょうか。ぼくもまだ見てないけど。
はいそこー、まだ見てないドラマの話して脱線しないー。ここでするのは鉄道模型の話ー。
でもこの建物、巨大すぎて車両と合わせて撮れる画角がきついのだ……。
かなり広角にカメラ使っても収まりきらないよねー。
このことはさらに後に響くのだ……。
解決できるのでしょうか? それは。
その件についても次回に続くぞよ。
つづきます!
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

長原キラ ながはらキラ:エビコー鉄研の部長。みんなに『総裁』と呼ばれている。「さふである!」など口調がやたら特徴ある子。このエビコー鉄研を創部した張本人。『乙女のたしなみ・テツ道』を掲げて鉄道模型などテツ活動の充実に邁進中。


*総裁のびっくりヒミツ能力(順次公開)

・隠れオッドアイ。安いラノベのキャラだと思われたくないので視力は悪くないのにカラーコンタクトをはめて眼の色を合わせている。しかしこのオッドアイのその眼を見てしまうと自白させてしまう作用がある。あまりにも危険なのでそれを抑制するためにもカラーコンタクト。


 ほかにもまだまだあります。


葛城御波 かつらぎ みなみ:国語洞察力に優れたアイドル並み容姿の子。でも密かに変態。しかしイマジネーション能力は随一。


武者小路詩音 むしゃのこうじ しおん:鉄研内で、模型の腕は随一。高校入学が遅れたので、実は他のみんなより年上。鉄道・運輸工学教授の娘で、超癒し系の超お嬢様。模型テツとしての腕前も一級。

芦塚ツバメ あしづかツバメ:イラストと模型作りに優れた子。イラストの腕前は超高校級。「ヒドイっ」が口癖。

中川華子 なかがわ はなこ:鉄道趣味向けに特化した食堂『サハシ』の娘。写真撮影と料理が得意。バカにされるとすぐ反応してしまう。

鹿川カオル かぬか カオル:ダイヤ鉄。超頭脳明晰で、鉄道会社のダイヤをアルバイトで組んでしまうほどの『ダイヤ鉄』。プロ将棋棋士を目指し奨励会所属。王子と呼ばれるほどハンサムな女の子。電子回路やプログラミングが得意。


田島ミエ たじまみえ:総裁の古くからの友人。凄腕の模型テツ。鉄研のみんなと一緒に大洗などを旅行したものの、関西在住で滅多に会えない。なおかつその実像は不明。

小谷奈々 おたりなな


総裁の友人。凄腕のBトレ自動運転の模型鉄。地下アイドルをしているらしい。ウサミン星がどうとか言っていたが詳細不明。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色