第16話 時代のカワリメ、退位礼の日
文字数 2,702文字
でも最悪、たたまないといけないかもしれないのもわかっています。
でも、たたむならぼくらもたたむの手伝うんですよ。その覚悟もしているんです。
それなのに、ぼくらを放っておいて著者さんがとっとと途中下車するのは、ひどすぎます。
すごくそうしたくなる気持ちはわかりますけどね。
それにほかのみんなも言葉がない。
このジメッとしたトイレの隣の小さな部屋。
みんなで鉄研の部室にするためにいろいろ持ち込んで、いまこうしてみんなの秘密基地のようになった部屋。
捨てられていたものを修繕したソファ。
もちこんできた三面鏡やテレビや電子レンジやぬいぐるみ。
そして、みんなで作ってきた鉄道模型ジオラマや模型車両。
その一つ一つに、鉄研のここまでの思い出が詰まっている。
それをみんなで、言葉もなく見つめる。